国立大学が推進するDX化戦略|最先端の取り組み事例集

国立大学が推進するDX化戦略|最先端の取り組み事例集

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国立大学が推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)化は日本の教育の未来を形作ります。この記事では、国立大学が直面するデジタル変革と、それを実現する戦略的取り組みと国立大学で実際に導入されている具体的な事例を詳しく解説します。DXの成功要因を学び、学生と社会にもたらす深い影響を理解していきましょう。

大学におけるDXとは

 

DXは、データとデジタル技術を活用して、ニーズをもとにして製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを指します。

大学DXの定義とその重要性

大学のDXは、教育、研究、運営管理などの各分野において、デジタル技術を駆使して効率性、アクセシビリティ、柔軟性を向上させることを目的としています。DXは単なるテクノロジーの導入を越え、組織全体での意識転換を必要とします。国立大学がDXを推進することは、新たな教育手法の展開や研究の質の向上に直結し、結果として社会全体のイノベーションに貢献する可能性を秘めています。

国立大学におけるDXの目的

国立大学におけるDXの主な目的は、学生への最高水準の教育提供、研究者による先端研究の推進、そして運営面の効率化です。これらを達成することで、教育機関として国際競争力の強化を図り、社会に貢献していくことが期待されます。

国立大学におけるDXの課題と解決策

国立大学におけるDXの推進には、予算の制約、既存のシステムとの互換など、多くの課題が伴います。これらの課題に対しては、政府の支援や産業界との協力、組織内の意識改革などを進めることで解決を図る必要があります。

国立大学のDX推進の現状分析

 

日本の国立大学は、DXを積極的に推進しています。新しい技術が教育や研究を支える重要な要素となりつつある現代において、DXは教育の質を向上させるためのカギとなっています。

日本の国立大学におけるDXの取り組み状況

多くの国立大学が情報通信技術を活用して教育環境を整えています。先進的な取り組みとして、オンラインによる授業の実施や、データの一元管理を行うシステムの導入、さらには学内の業務プロセスのデジタル化を推進している大学も存在します。これらの取り組みは、学生の学習効率の向上と、大学運営の効率化を目指しています。

成功している大学の共通点

DXを成功させる国立大学には共通する特徴が見られます。それは、高度なITインフラの整備、組織全体としてのデジタル化、教職員や学生に対する継続的なデジタルスキル教育などが挙げられます。これらの要素は、大学がDXを全面的に展開していくための基盤です。

DX推進のための戦略と実践方法

 

国立大学の教育や研究、そして大学運営全般にわたるDXは、多大な効果を見込める領域です。ここでは、DXを推進するための戦略立案から実践に至るまでの方法について、具体的なアプローチを紹介します。

戦略的アプローチと課題解決策

DXを推進するためには、明確なビジョンの設定が不可欠です。教育クオリティの向上、研究の効率化、経営の最適化など、目的に応じた戦略的な方策が求められます。それには、学生や教員、大学スタッフなどのニーズを把握し、最新のテクノロジーを適切に組み込んだ計画を策定することが重要です。

デジタルテクノロジーの活用事例

デジタルテクノロジーの進展は、大学のDXを大きく推進する要素です。下記に、実際の活用事例をいくつか紹介します。

AIを活用した教育改革

人工知能(AI)を活用することで、学生1人ひとりに最適化された学習プログラムを提供することができます。また、自動採点システムや質問応答システムを導入することで、教師の負担を軽減し、より効果的な教育の実現に寄与します。

大学運営のDX

キャンパスのデジタルサイネージの展開やクラウドサービスを用いた情報共有は、コミュニケーションの効率化につながります。デジタル化された運営システムは、事務処理の自動化だけでなく、エネルギー管理の最適化にも貢献することが期待されます。

研究開発の加速

ビッグデータの解析やシミュレーションを利用することで、研究開発の速度と質は飛躍的に向上します。これにより、新たな学問領域の開拓やイノベーション創出の可能性が広がります。

人材育成と組織文化の変革

DXを成功させるためには、デジタルリテラシーを有する人材の育成が必要不可欠です。それに加え、変革を受け入れる組織文化の醸成も重要です。これを実現するためには、常に学習と成長を継続する環境の整備を図ることが求められます。

 

具体的な最先端取り組み事例

北海道・東北地方

北海道大学北海道教育大学弘前大学
岩手大学東北大学秋田大学
山形大学

 

関東・甲信越地方

筑波大学宇都宮大学群馬大学
埼玉大学千葉大学東京大学
東京医科歯科大学東京学芸大学東京農工大学
東京工業大学お茶の水女子大学電気通信大学
一橋大学横浜国立大学新潟大学
山梨大学信州大学

 

東海・北陸・近畿地方

富山大学静岡大学名古屋大学
京都大学大阪大学神戸大学

 

中国・四国地方

鳥取大学岡山大学広島大学
山口大学香川大学

 

九州・沖縄地方

九州大学佐賀大学熊本大学
大分大学宮崎大学琉球大学

北海道・東北地方

 

北海道大学

 

北海道大学高等教育推進機構オープンエデュケーションセンターは、北海道大学アドビ株式会社と共同研究契約を締結し、デジタルリテラシー教育で求められる批判的思考力や創造的問題解決力を育成するオープン教材の利用に取り組んでいます。

この取り組みは2019年度から始まり、2021年10月に教材の全3章が完成したために公開を開始しているほか、日本だけでなく英語圏でも活用を目指して英語化を進めています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|北海道大学のデジタル化事例紹介

 

北海道教育大学

 

北海道教育大学が設置した「未来の学び協創研究センター」は、次世代の学校教育を見据えて、子どもが学ぶ環境の整備と、教師が学ぶ環境の整備という2つの課題解決を目標とした施設です。当センターは、学習コミュニティ研究部門、アクティブラーニング教材開発部門、教職キャリアデザイン研究部門の3部門で構成され、ここで培われた実践成果を次世代の教師教育へと発展させることが望まれています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|北海道教育大学のデジタル化事例紹介

 

弘前大学

 

画像引用元:弘前大学公式サイト

弘前大学附属図書館では、本学が所蔵する歴史資料をデジタル化し、広く全世界に公開するデジタルアーカイブ事業を、平成23年(2011年)度から進めています。令和5年(2023年)度は、全体で1,400点以上の資料からなる「官立弘前高等学校資料群」の中から開校・閉校関係資料、北溟寮関係資料、教務日誌の3件及び本省令達書類の一部をデジタル化し、公開しました。これらは、大正10年(1921年)~昭和25年(1950年)頃の学校生活を推察できる貴重な資料です。

デジタルアーカイブは、附属図書館ホームページ上で公開しており、世界中どこからでも無料で閲覧できます。また今後も引き続き、官立弘前高等学校資料群のデジタル化を進めていく予定です。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|弘前大学のデジタル化事例紹介

 

岩手大学

 

画像引用元:岩手大学公式サイト

岩手大学は、「AI戦略2019(統合イノベーション戦略推進会議決定)」に基づき、文理を問わないすべての学生が初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得するという国家戦略の達成に向け、全学部学生を対象とした、「リテラシーレベルの数理・データサイエンス・AI教育プログラム」を令和3(2021)年度から実施しています。また本プログラムは、令和4(2022)年度に文部科学省から、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」による、リテラシーレベルの認定を受けています。

プログラムの修了要件となっている「情報基礎」を2021年に受講した学生の満足度に係るアンケートにて、98.8%の学生が履修してよかったと回答しています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|岩手大学のデジタル化事例紹介

 

東北大学

東北大学は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年6月にオンライン事務化を宣言しました。オンライン事務化宣言では、窓口フリー・印鑑フリー・働き場所フリーを掲げ、従業員の従来の事務作業の改革を進めています。

各種手続きや相談のオンライン化、電子決済システムの導入、テレワークやフレックスタイム制を導入することで、学生や教員が学業や教育・研究活動に専念できる場の整備を進めています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|東北大学のデジタル化事例紹介

 

秋田大学

文部科学省は、デジタル社会への環境変化に対応した資質・能力を養成するために、DX教育設備を活用した教育カリキュラム開発や実験・実習の高度化を進めています。その一環として、日本産業のデジタル化と高付加価値化をけん引する専門人材育成を目的に、「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」を実施しています。

秋田大学では、「『情報×ロボティクス』による地域の産業DXを加速化する高度専門人材育成事業」が採択されました。これは、数理・データサイエンス・AIに関する素養を身に付け、AI・XRなどの最先端技術活用や産業界との連携を通じて、学部の実験・実習や卒業研究を高度化するDX加速化教育モデルの整備を目的としています。また同時に、産業DXを加速化する高度専門人材を育成するものとなっています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|秋田大学のデジタル化事例紹介

 

山形大学

 

山形大学データサイエンス教育研究推進センターでは、データサイエンスを学びたい学生と社会人がともに学ぶ勉強会「データサイエンス・スタディセッション(DSSS)」を実施しています。

また、個人学習・グループワークなどそれぞれの目的に合わせた活用ができるデータサイエンス多目的ホールの開放や、データサイエンスや人工知能に興味を持つ学生・教員・社会人が集まってその場で話題になったことについて学ぶデータサイエンスcafeを開催しており、年齢問わず学びやすい環境づくりがなされていました。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|山形大学のデジタル化事例紹介

関東・甲信越地方

 

筑波大学

 

筑波大学は、在学生や卒業生、その他関係者向けのスマートフォンアプリ「TSUKUBA FUTURESHIP(ツクバフューチャーシップ)」を開発しました。このアプリでは、大学で進められている研究の最新情報やスポーツ・芸術情報、特別講義配信などを閲覧することが可能です。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|筑波大学のデジタル化事例紹介

 

宇都宮大学

宇都宮大学はイノベーションの実現、社会の発展に貢献することを目的とし、特に工学・農学分野への支援・改革に力を入れています。そのため構内に雑草管理教育研究センター、バイオサイエンス教育研究センター、オプティクス教育研究センター、ロボティクス・工農技術研究所(REAL)、機器分析センターなど最先端の研究施設が完備されています。

宇都宮大学はロボティクス・工農技術研究所(REAL)を中心に、産業界や地域社会と連携して、IoT(Internet of Things)・ロボット技術などのテクノロジーの実装と普及を進めています。同時に優秀な研究開発人材を数多く輩出し、社会に大きく貢献しています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|宇都宮大学のデジタル化事例紹介

 

群馬大学

 

群馬大学数理データ科学教育研究センターでは、DX人材育成を目指し、初等・中等教育、高等教育、中小企業向けリカレント教育の3つの対象者に向け、データサイエンスを学習する機会を提供しています。

小中学生に対しては、オンライン・オフラインでのプログラミングスクール、親子プログラミング講座の開催、高校生に対しては、IoTシステム開発を実践的に学べるイベントWeb×IoTメイカーズチャレンジやオンラインプログラミング入門講座、オンラインIoT講座の開催などを行っています。2022年に行われた高校生向けIoTスクールでは、群馬大学の大学生・大学院生がTAとして参加し指導をしています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|群馬大学のデジタル化事例紹介

 

埼玉大学

埼玉大学では、年に数回DX技術を活用したものづくり人材育成実践セミナーを開催しています。

このセミナーでは、DXや人工知能、データサイエンスの基本から、認識、理解、学習、判断、予測といった技術について初心者にも理解しやすく解説し、最新の技術トレンドを紹介します。また、参加者はDX、AI、VR、ロボットシステムの設計と製作に取り組み、最終日にはグループごとの成果発表と総合討論を通じて、DXシステム開発の知識と技術を深めます。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|埼玉大学のデジタル化事例紹介

 

千葉大学

千葉大学は、DXによる戦略的な大学運営を実現するため、学内の従来の情報関連組織を発展的に改組し、2023年4月に千葉大学情報戦略機構を設置しました。情報戦略機構は、「DXが牽引する大学改革」という理念を掲げ、研究・教育・管理運営におけるDX化を推進しています。

具体的な活動として、情報戦略に基づいた千葉大学の未来を担う新たな研究の推進や、全学教育として実施している数理・データサイエンス教育プログラムの提供、それに伴うデジタル人材の育成などが挙げられます。また、データマネジメント部門では、学内DXを推進させるための戦術を策定し、業務改善および組織変革といった、大学DX化の情報戦略を実施しています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|千葉大学のデジタル化事例紹介

 

東京大学

 

画像引用元:Beyond AI公式サイト

2020年、東京大学ソフトバンク株式会社は、Beyond AI(ビヨンドエーアイ)研究推進機構を設立し、AIに関する共同研究を始めました。

Beyond AI研究推進機構では、AIの基盤技術研究やその他の学術領域との融合によって、新たな学術分野の創出を目指す基礎研究と社会課題・産業課題解決へのAIの活用を目的とする応用研究を推進しています。これらの事業によって得た利益は、研究活動や次世代AI人材育成のために利用され、研究・教育と産業の間でエコシステムの構築を目指しています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|東京大学のデジタル化事例紹介

 

東京医科歯科大学

 

東京医科歯科大学は、東京都と「デジタルヘルス人材育成プログラム」を開講しました。対象は、東京医科歯科大学に通う学生だけでなく、社会人も参加可能です。

デジタルヘルス人材育成プログラムでは、医療・創薬・デジタルヘルスの領域で起業や新規事業の開発を目指している人を対象に、デジタルヘルス領域に必要なICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)や機器の使い方、機器の医療ビジネスにおける活用方法、デジタルヘルス領域における研究活動やビジネスの事例紹介やマーケティング技術やデザイン、法令やガイドラインなどの4領域から構成されるカリキュラムを提供しています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|東京医科歯科大学のデジタル化事例紹介

 

東京学芸大学

 

東京学芸大学は「教員・教育支援人材育成リカレント事業」を実施しました。この事業は、学校現場でのプログラミング教育必修化や、GIGA(ギガ)スクール構想の実現に向けた、教師側のICT環境の整備と、児童や生徒の多様化による授業の変化に伴う課題解決を目指しています。また教員職の人材不足により変化した教師の在り方に対応する人材の育成を行いました。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|東京学芸大学のデジタル化事例紹介

 

東京農工大学

 

2023年10月、東京農工大学では、学修環境向上に資するDX化を目標に、学修支援システムおよび学務システムが一体となった新システム、「SIRIUS(シリウス)」を導入しました。最大の特長は、学務システムで管理しているカリキュラムやシラバス、学生の履修情報、成績データが、LMS(学習支援システム)とデータ連携している点です。LMSを最大限活用することで、学生へ提供する教育のクオリティが向上させます。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|東京農工大学のデジタル化事例紹介

 

東京工業大学

東京工業大学は、博士人材の育成や企業との連携に注力しています。その取り組みとして修士博士一貫の大学院教育プログラム物質・情報卓越教育院超スマート社会卓越教育院エネルギー・情報卓越教育院の3つの卓越大学院プログラムを設立しました。

デジタル化推進には人材が必要不可欠であり、情報やデータを物質とリンクさせ、世界をリードして新しい社会を創ることができる、知のプロフェッショナル人材の育成に取り組んでいます。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|東京工業大学のデジタル化事例紹介

 

お茶の水女子大学

お茶の水女子大学は、大学で行っている「ジェンダード・イノベーション研究」と富士通株式会社AI倫理技術をもとに、AIを活用した個人的な意見や主観に左右されないジェンダー平等施策を可能にする共同研究を実施しています。また、この共同研究の遂行を担う人材の育成を進めています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|お茶の水女子大学のデジタル化事例紹介

 

電気通信大学

電気通信大学は、人間知・機械知・自然知の融合によって新たな価値(進化知)を創造し、さまざまな課題を自律的に解決しながら発展し続ける、「共創進化スマート大学」となることを目指し、「UECビジョン~beyond 2020~」を掲げ、その取り組みの1つとして、UEC共創進化スマート教育システムを構築しました。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|電気通信大学のデジタル化事例紹介

 

一橋大学

 

一橋大学は、様々なデータが入手できるビッグデータの時代に、ビジネス、イノベーションや社会課題の解決に貢献できる人材養成に向けて2023年度にソーシャル・データサイエンス学部・研究科を設立しました。経営学、経済学、法学、政治学、社会学に加えて統計学、情報やAIのデータサイエンスを融合させた教育研究を実施しており、 コースは学士課程と修士課程に分かれています。

このプログラムを通して、社会科学とデータサイエンスの知識を融合することで、社会に蓄積されたデータを駆使してビジネスの革新と社会課題の解決に対する提案力と実行力の養成を目指しています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|一橋大学のデジタル化事例紹介

 

横浜国立大学

 

VRキャンパスプロジェクト」は、横浜国立大学のキャンパスをVRで再現するプロジェクトです。横浜国立大学の理工系・建築系のOBと現役学生が中心となり運営しています。

自宅で360度キャンパスを見渡すことができるVRキャンパスは、受験を考えている学生たちにとって、時間や場所の制約なしに大学の雰囲気を体験し、より深く学校生活を理解する機会を提供します。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|横浜国立大学のデジタル化事例紹介

 

新潟大学

 

新潟大学は、新潟という土地の強みと特色を活かし、「フィールドを舞台に農業DXをけん引する高度農業人材育成プログラム」を令和4年(2022年)度から開始しました。このプログラムは、フィールドを舞台とした実験・実習科目の開発やその高度化を通じて、高度農業人材を育成することを目的としています。

本学は文部科学省の「デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業」に採択されており、デジタル技術と専門知識の融合を通じて、将来の日本の産業DXをリードする人材育成に注力しています。

人材育成プログラムの活動報告会では、DXに関連する教育の現状、DX機器を活用した最先端の研究活動、そして産業界などとの連携(産学官連携)について報告されており、大学附属の農場を舞台にしたプログラムの将来像について考察する機会となっています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|新潟大学のデジタル化事例紹介

 

山梨大学

山梨大学が実施した「学びのソムリエAI」は、教育情報システム基盤から取得されるビッグデータに基づく、学習行動の自動分析とその結果に依拠した学習情報の提供により、学びの個別最適化を促進させます。また、専攻・授業履修状況・修学状況などからAIエンジンを使った自動分析によって学生の志向を抽出し、興味関心や学習の進捗状況に応じて、適切な選択科目・学内講演会・連携大学の単位互換科目などの情報を提供します。

これによって、学生は学びの深さと幅の両方に個別最適化を進められ、教育効果の測定と検証が可能です。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|山梨大学のデジタル化事例紹介

 

信州大学

信州大学には、SUSIRT(エスユーサート)と呼ばれるセキュリティ・インシデント・レスポンス・チームが存在します。SUSIRTは、信州大学のネットワーク上で不審な動きが感知されたときにすぐ対応できるように、常にネットワークを巡回しています。また、ネットワークのセキュリティを脅かす事態が起きた時、そういった被害を最小限に抑制するための事象確認や復旧活動も担っています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|信州大学のデジタル化事例紹介

東海・北陸・近畿地方

 

富山大学

富山大学では、大学の公式ホームページにチャットボットを導入しています。チャットボットを公式ホームページに導入することで、富山大学は情報へのアクセスを容易にし、ユーザーの問い合わせに対する迅速かつ効率的な対応を実現しています。これにより、さまざまなニーズに即座に応えることが可能となり、大学運営の質を高めるとともに、満足度を向上させています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|富山大学のデジタル化事例紹介

 

静岡大学

 

静岡大学プロジェクト研究所は、社会的要請の高い分野の研究や静岡大学の特色を活かした学際的プロジェクト研究など、若手研究者の研究事業活性化を図るために運営されています。学内研究者との連携を強化し、他の研究組織の幅広い協力を得て、将来的に大学の核となる研究に育つことを目指しています。

デジタル化やデジタル社会に対する研究も多く、土木情報学研究所は、都市インフラに関する課題に対する持続可能な解決として、情報学を中心に総合的に研究しています。また、地域行政の協力のもと社会実装を通して、実地での検証や安心安全な都市の実現方法や技術、知見を見出す研究室です。スマートシティ/まちづくりDX交流会は、土木情報学コミュニティの一層の活性化を図るために開催されました。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|静岡大学のデジタル化事例紹介

 

名古屋大学

名古屋大学は、2017年度に情報学部、大学院には情報学研究科を新設しました。情報学部では、AI、IoTを活用し、社会で活躍する人材の育成・新しい情報学の創出を目指しています。

授業ではビッグデータや人工知能などを学習することができるほか、自然情報学科、人間・社会情報学科、コンピュータ化学科の中で文理融合のカリキュラムが実施されています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|名古屋大学のデジタル化事例紹介

 

京都大学

 

京都大学の一部の講義は、オンライン上で配信されています。実際の講義で使用している教材をインターネット上で公開しており、生徒以外も講義を受講することが可能です。

また「京都大学OCW(OpenCourseWare)」は、世界の有名大学の授業を無料で受講できるプラットフォームです。OCWはオープンコースウェアを指し、大学などの教育機関で提供された講義などをインターネットを通じて無償で公開する活動となります。6,300件を超えるコンテンツにアクセスができ、学内外の多くの人たちから利用されています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|京都大学のデジタル化事例紹介

 

大阪大学

 

画像引用元:大阪大学公式サイト

大阪大学は、2018年から大学公式アプリ「マイハンダイアプリ」を提供しています。このアプリでは、自動で反映される休講・補講情報、シラバスや学内バスの時刻表の確認、マガジン「まちかねっ!」の閲覧、大阪大学安否確認システムの入力が可能です。

また、オープンキャンパスの時期には入学希望者に向けて、学部紹介や模擬授業、学校生活紹介の動画や入試概要説明を掲載する、アプリdeオープンキャンパスも実施されています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|大阪大学のデジタル化事例紹介

 

神戸大学

神戸大学は、積極的に学内外向けのDX講座を開催しています。2020年9月6日にはYouTubeを用いて、新型コロナウイルス感染拡大による社会の変化にどう対応していくか、どのように「Society5.0」で活躍できる人材を育成するかについて議論するシンポジウムを開催しました。

Society5.0とは

Society5.0は、サイバー空間とフィジカル空間を統合することにより、経済成長と社会的な問題解決を同時に達成しようとする新しい社会の概念です。これは、人間中心の社会を目指しており、過去の社会の進化を続く次の段階です。これまでの社会の進化過程は、狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society4.0)とされており、Society5.0はこれらに続く新しい時代を象徴しています。日本政府は、第5期科学技術基本計画において、このSociety5.0を目指す未来社会のビジョンとして掲げています。

参考サイト:内閣府「Society5.0

また、数理・データサイエンスセンターではDXを活用して事業の効率化やイノベーションを企画する学外の社員や職員に向けてDXセミナーを開催し、地域社会全体のDX化促進に貢献しています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|神戸大学のデジタル化事例紹介

中国・四国地方

 

鳥取大学

 

画像引用元:鳥取大学公式サイト

鳥取大学でバーチャルキャンパスを公開しています。バーチャルキャンパスとは、インターネット上に構築されたデジタル環境のことで、物理的な大学キャンパスを模倣または拡張するものです。鳥取キャンパスの24施設、米子キャンパスの12施設が公開されており、入学希望者は、実際にキャンパスを訪れなくとも大学内を見ることができるため、非常に有益です。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|鳥取大学のデジタル化事例紹介

 

岡山大学

 

岡山大学DS部は、文理や学年の枠を超え、データサイエンスと大学での学びの成果で課題解決を目指すサークルです。

DS部は、地元の高校でのDX学習イベントやプログラミングのコンペティションの主催、岡大DXハッカソンを実施しました。ハッカソンとはハック(hack)とマラソン(marathon)をかけ合わせた造語で、エンジニアやデザイナーが集まり、与えられたテーマに対し短期間でアプリやサービスを開発するイベントです。しかし岡大DXハッカソンでは、技術力だけでなくアイディア性や課題発見力に重きを置き、プログラミングなしでアプリやサイトを作成できるツールを紹介することで、プログラミングができない人でも参加できるイベントを開催しました。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|岡山大学のデジタル化事例紹介

 

広島大学

広島大学は、AIやICT技術を活用しイノベーションを創造する人材育成に向け、ICT教育の普及と企業連携による研究力の強化の拠点として、AI・データイノベーション教育研究センターを設置しました。本センターには、教育部門・AI部門・データ解析部門・計算科学部門・連携部門の5部門が設置されており、情報・データサイエンス教育の教材開発や企画・運営、企業との共同研究、企業に対するリカレント教育などが行われています。本センターの取り組みは学内だけでなく、地域創生にも寄与しています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|広島大学のデジタル化事例紹介

 

山口大学

 

山口大学が実施したYu-DX(ユーディーエックス)プログラムとは、以前行っていたやまぐち未来創成(YFL)育成プログラムにDX思考を加えて発展させた、DX人材育成プログラム(YFL+育成プログラム)です。近年頻繁に実施されている、DXによる地域課題解決の事例を参考に、デジタル社会に適応した人材の育成を目指しています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|山口大学のデジタル化事例紹介

 

香川大学

香川大学情報メディアセンターはデジタルONE戦略の実現に向け、DX化推進チームDXラボを設置しました。情報工学を専攻している学生と教職員で構成されており、立場を超えた協働がなされています。

DXラボでは、学生や教職員が抱える不満を調査し、業務改善を行うシステムを開発することで教育DX、業務DXに大きく貢献しています。例えば、今まで手書きで申請していた欠席届に申請フォームを導入し、チェック時間の短縮・申請者の手間削減や、メールや電話で対応していた研究費公募にチャットボットを導入による、教職員の問い合わせ対応時間の大幅な減少が実現しています。DXラボではすでに30件以上のシステムの開発に成功しており、全国の大学・企業から注目を集めています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|香川大学のデジタル化事例紹介

九州・沖縄地方

 

九州大学

 

画像引用元:aimo公式サイト

九州大学は、伊都キャンパス内の移動手段の1つとしてAIオンデマンドバス「aimo(アイモ)」を導入しています。

九州大学周辺37カ所にバス停が設置されており、利用者はWebアプリから乗降場所と乗車人数を入力して予約するだけで乗車することが可能です。人工知能がアプリのオーダーを分析して、最適なルート・順番で利用者を目的地まで運ぶため、広大なキャンパス内の利便性向上に大きく貢献しています。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|九州大学のデジタル化事例紹介

 

佐賀大学

佐賀大学が行った、「Sagallege(サガレッジ)DXリスキルプログラム」とは、地域産業の競争力を高めるDX人材を養成するための育成プログラムです。このプログラムには、3つのコースが用意されており、個人もしくは企業のニーズに合ったサポート体制を提供しています。佐賀大学教員や日本マイクロソフト社員を講師として呼び、DX技術そのものだけでなく、ITリテラシーや組織マインドの変革に向けたスキル習得が可能です。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|佐賀大学のデジタル化事例紹介

 

熊本大学

熊本大学の教職大学院情報教育研修会は、2021年デジタル社会推進賞デジタル大臣賞銀賞を受賞しています。この研修会は県内の教員を対象に、授業にICTを活用する力や児童の情報活用能力を育成する力を高めることを目的として、月に1回のペースで開催されています。研修内容としては、GIGAスクールマネジメント、学修支援ツールの活用やプログラミング入門などが実施されてきました。

また、熊本大学は地域連携の活動の一環で、市民に授業開放・公開講座を実施しており、地域の人々の教育の場としても機能しています。これらの取り組みは、県全体のDX化・子どもたちの育成に大きく貢献しており、これからのさらなる発展に期待が持てます。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|熊本大学のデジタル化事例紹介

 

大分大学

 

大分大学STEAM Lab.(スティームラボ)では、STEAM教育を主軸として、学生の教育や地域貢献活動に取り組んでいます。大分大学は学生教育において、データサイエンス、リテラシー教育、AI教育、情報セキュリティ、ビッグデータ活用を使命としており、STEAM教育を通じて地域社会へのデジタル技術を活用した貢献を進めています。ICT技術の利用は今や社会人、大学生にとどまらず幼稚園までと幅広く、大分大学のSTEAM教育はこれを先導する役割を担っています。

※STEAM:Science(サイエンス、科学)、Technology(テクノロジー、技術)、Engineering(エンジニアリング、工学)、Arts(アーツ、芸術)、Mathematics(マセマティクス、数学)

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|大分大学のデジタル化事例紹介

 

宮崎大学

宮崎大学は、株式会社スカイコムと2021年度より共同研究してきた、AIを用いて文書を解析し、章立てや段組み、画像の配置などの書式をブロック化してラベリングする処理技術手法で特許を取得しました。この技術を利用することで、さまざまなフォーマットで作成された電子文書を人手に頼らず解析して分類出来るため、効率的に文書管理・運用を行うことが可能となります。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|宮崎大学のデジタル化事例紹介

 

琉球大学

 

琉球大学地域連携推進機構では、新型コロナウイルス感染症の影響により、雇用構造の転換が進んだ今、実践的な資質・能力を身に付け、自己のキャリア開発につなげるため、リカレント人材育成が行われています。ますます多様化、複雑化、深刻化する社会のニーズに応えていくため、企業や自治体と連携し、新たなリカレント教育の開発や提供をすることにより、社会人教育の充実に取り組んでいます。

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【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|琉球大学のデジタル化事例紹介

DX時代における学生と社会への影響

学生の学習環境の変化

DX時代に突入し、国立大学においても学生の学習環境は大きく変化しています。オンライン授業の普及により、時間や場所に縛られることなく、幅広い知識と情報へのアクセスが可能になりました。また、デジタルツールを駆使した協働学習が推進され、従来の教育体系にとらわれない新しい学びの形が生まれています。こうした変化は、学生たちにとって自律的かつ能動的な学びの機会を提供し、彼らの未来におけるキャリア形成に大きな影響を与えています。

DXによる大学の社会的役割の拡大

国立大学におけるDXの推進は、教育のみならず社会に与える影響も拡大させています。デジタル化された講義資料や研究成果は、学外の人々にも容易に提供できるようになり、大学の社会的役割はより重要なものへと変化しています。また、大学が持つデータを活用した社会貢献活動や業界との連携による社会問題の解決への取り組みも加速しており、DXは大学を知識の発信基地から社会変革の拠点へと進化させるカギとなっています。

大学DXにはRESERVA

画像引用元:RESERVA公式サイト

はじめてDXを導入する人も、DX導入経験のある人にも、おすすめできる予約システムとして、RESERVA(レゼルバ)を紹介します。

RESERVAは、27万社以上が利用する業界トップクラスの予約管理システムです。350以上の業種に対応しており、国公立大学、私立大学など多くの現場でも広く導入されています。このシステムの特徴は、無料プランから始められる手軽さにあります。また、サービス提供(スタッフあり・なし)、施設、宿泊施設、スクール・アクティビティ、イベント・セミナーといった6つの予約タイプに対応し、大学のあらゆる場面に最適な形で利用できます​​​​。

RESERVAは他のサービスとの連携が充実しており、ZoomやGoogleカレンダー、スマートロックといった外部システムとかんたんに連携できます。これにより、導入の初期段階での抵抗感が少なくなります。RESERVAは予約の失念を防ぐリマインドメールの送信や、オンラインカード決済機能も備えており、無断キャンセルや当日キャンセルを減らします。

予約システムの導入におすすめのRESERVAの詳細はこちらをご覧ください。

まとめ

本記事では、国立大学のDX推進の実態とその戦略を分析し、具体的な事例を通して、DXが学生や社会に及ぼす影響を考察しました。DX化を推進やDX人材の育成は今後の社会に不可欠な要素です。RESERVA.acでは、大学のDX化に関する記事を今後も取り上げていきます。

予約システムで、ビジネスを効率化

RESERVA.acは、大学向けのクラウド予約システム。国立大学、学校法人における導入実績は240以上。講義予約、オープンキャンパス予約、証明書発行窓口予約など様々なシーンで導入されています。