DXによる大学事務・経理革新|効率的なデジタル化戦略と成功事例

DXによる大学事務・経理革新|効率的なデジタル化戦略と成功事例

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現代の教育界において、DX(デジタルトランスフォーメーション)は必要不可欠な革新です。しかし、多くの大学では、事務作業や経理作業が古い慣習や非効率なシステムに縛られ、デジタル化の進展が遅れています。大学事務のDX化は、効率性や透明性、柔軟性を大幅に向上させる潜在力を秘めています。また、学生の学習体験を向上させ、職員の作業負担を軽減するだけでなく、教育機関全体の競争力を高めるカギとなります。

本記事では、大学事務・経理の現状、DX化によって解決可能な課題、大学での実際の導入事例について詳しく解説していきます。教育の未来を形作る重要な一歩である、大学事務のDX化を、この記事を通して探っていきましょう。

大学事務・経理における主な課題

 

アナログ手法の限界

現状の大学事務は、アナログ手法に強く依存していることが多く、これにはいくつかの課題があります。紙ベースの文書管理や手書きの申請書、対面での手続きなどは、時間の浪費だけでなく人為的ミス発生のリスクも高めます。従来のアナログ的手法は、特に学生用のデータ管理や成績記録、諸手続きにおいて非効率であり、データの整合性やセキュリティにも問題を引き起こす可能性があります。

DXへの抵抗

デジタル技術に慣れていない職員や管理者は、新しいシステムへの不慣れさや、変化に対する不安から、新技術への移行に抵抗感を感じることが多々あります。また、デジタルに対する十分なトレーニングやリソースが提供されてない場合、職員は新しい技術の採用に対して消極的になります。この抵抗は、DXの取り組みが成功するかに大きな影響を与えるため、管理者は職員の支持を得るための戦略を練る必要があります。

テクノロジーとインフラの不足

DX化が進んでいない多くの大学では、デジタル化をサポートするための基盤が未発達であることが1つの大きな障害です。適切なハードウェア、ソフトウェア、ネットワークインフラの欠如は、DXの取り組みを大きく遅らせる要因となります。また、予算の制約により、必要なテクノロジーの導入が遅れるケースもあります。

規制と方針の課題

大学運営には、古い規制や方針が存在し、これがデジタル化の障害となることがあります。特に、データのプライバシーやセキュリティに関する規定は、DXのプロセスにおいて慎重な検討が必要です。加えて、学外の機関との協力関係においても、デジタル化に関する制約が生じることがあります。

 

大学事務におけるDX化の必要性

大学事務・経理の効率化と革新を促進するためにDXは不可欠です。DX化により、業務プロセスは自動化され、時間とリソースが節約され、より効率的な運営を目指すことができます。例えば、オンラインでの文書処理、電子データベースの活用、自動化された報告システムなどがこれに該当します。これにより、職員は煩雑な事務作業から解放され、より創造的かつ戦略的な業務が可能になります。

データ駆動型の意思決定への移行

デジタルツールの活用により、大学は学生の成績、出席状況、学習進捗などのデータをリアルタイムで追跡し、その結果に準じた、より効果的な教育戦略の策定が可能になります。また、デジタル化されたデータは、学生のニーズに迅速に対応し、教育サービスの質を高めるために重要な洞察を提供します。

持続可能性とアクセシビリティの向上

DXは、持続可能性とアクセシビリティの向上も見込めます。ペーパーレス化は、環境への影響を軽減し、紛失や盗難の回避にも寄与し、学習の幅を拡げます。オンラインシステムの導入は、遠隔地に住む学生などが環境に左右されず学習できます。これにより、教育機関はより包括的で公平な学習環境を提供することが可能になります。

大学事務・経理のDX化可能領域

 

教務管理システムのデジタル化

大学事務のDX化として、中心となるのは教務管理システムのデジタル化です。これには、オンラインでの成績登録、出席管理、授業計画の作成と共有などが含まれます。デジタル化された教務管理システムは、情報の正確性を保ちつつ、プロセスの効率化を実現します。また、学生や教員の間で情報を透明かつ迅速に共有することが可能になります。

デジタル資産管理

大学が所有する研究資料、図書館のコレクション、行政記録など、あらゆる文書やデータのデジタル化によって、より効率的な資産管理が可能になります。デジタルアーカイブシステムは、重要な文書の保管と検索を容易にします。さらに、これらの資料へオンラインからアクセスできるため、研究の促進と学術コミュニティの拡大を支援します。

予算管理の自動化

予算計画、財務報告、経費処理などの財務関連の経理業務は、DX化によって大幅に効率化できます。自動化されたファイナンスシステムは、エラーの削減、透明性の向上、およびリアルタイムの予算追跡を可能にし、より効果的な財務管理を実現します。これにより、経理部門は戦略的な計画に集中できます。

成功事例の紹介

北海道大学

北海道大学では、2022年4月から事務業務のDXを推進しています。「すべての職員にとって働きやすい職場環境をつくること」、「新しい業務へ積極的に対応できる環境を整備すること」を目的として、事務組織の業務環境改善から構成員のベネフィットへつなげることを目指しています。

実際の取り組みとして、ペーパーレスでの業務の推進や手続き申請・発行のオンライン化、チャットボットの活用、Web会議の実施などが挙げられ、大学事務のあらゆる方面でDX化を進めています。

参考記事:
北海道大学「事務業務の改⾰(事務DX)
参考記事:
北海道大学×SDGs「『北海道大学事務DX戦略』Mind × Digital Transformation
関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|北海道大学のデジタル化事例紹介

東北大学

 

東北大学は、積極的にDX化を推進しており、特に事務業務については、「DXによる先導的な業務改革を戦略的に実行し、ニューノーマル時代に相応しい教育・研究環境を実現し、魅力ある職場環境」の創造に取り組んでいます。

新型コロナウイルス感染症拡大により、加速度的に注目が集まったDXですが、東北大学は以前からワークスタイル変革のために環境整備を実施していました。2016年には、東日本大震災の教訓を踏まえ、仮想デスクトップを導入し、100%リモートワーク化を可能にしました。2019年には、クラウド業務基盤導入とその強化を推進し、現在も職員の事務業務だけでなく、教育・研究環境を支えています。

2023年は、ChatGPTなどのAI生成ツールを積極的に検証し、従来のDXの取り組みを継続して実行・拡大することで、大学全体のDXを強化しました。このような業務DXの推進によって、学部や部署の状況に即したDXをより迅速に図っています。

参考記事:
東北大学DXナビゲーション「業務のDX
関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|東北大学のデジタル化事例紹介

新潟大学

画像引用元:新潟大学公式サイト

新潟大学は、内閣府の大学支援フォーラムPEAKS(ピークス、Leader’s Forum on Promoting the Evolution of Academia for Knowledge Society)が募集した、令和5年(2023年)度「日本型大学成長モデルの具体化及びそれを支える大学経営人材の確保・育成に係る実証事業」に採択されました。

この事業では、地域の中心となる特色ある研究大学を目指す大学において、持続的な成長に向けた知識資源の収益化や、自治体や企業との協力関係を築く方法論の確立と普及など、大学経営の高度化を目的としています。新潟大学は、「研究の強み」や「地域の特色」を活かした、研究力の強化とイノベーションの創出を図り、大学機能強化の基盤となるエキスパート人材の拡大・組織化を進めています。

参考記事:
新潟大学「大学経営を担うエキスパート人材の組織化および戦略的事務DXによる事務職員の高度化を進めます~内閣府の第2期PEAKS実証事業に採択~
関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|新潟大学のデジタル化事例紹介

大学事務・経理DX化のためのステップ

 

①現状分析と目標設定

DX化の第一歩は、現状の業務プロセスの徹底的な分析からはじまります。大学事務のどの部分がデジタル化の恩恵を最も受けられるかを特定し、その上で実現可能で具体的な目標を設定します。この段階では、関係者全員の意見を取り入れ、全体的なビジョンに沿った目標を定めることが重要です。

②テクノロジー・システムの選定

適切なテクノロジーやシステムを選定することが重要です。これには、ソフトウェア、ハードウェア、そして必要に応じて外部のサービスプロバイダーやコンサルタントの選定も含まれます。選定プロセスでは、予算、互換性、利用者の使いやすさ、および将来の拡張可能性を考慮する必要があります。

③教育とトレーニング

職員や教員に対して、包括的なトレーニングプログラムを実施することで、新しいシステムへの移行をスムーズに行います。トレーニングは、新しい技術の基本操作から、それを日々の業務に統合する方法まで、幅広くカバーする必要があります。また、継続的なサポートとリソースの提供も不可欠な要素です。

④段階的な実装と評価

DX化のプロジェクトは、一度に実施するのではなく、段階的に進めることが望まれています。小規模な試行を行い、フィードバックを受けてから次のステップに進むことで、リスクを最小限に抑え、効果的な調整が可能になります。また、各段階の成果を評価し、必要に応じて計画を修正することも必要です。

⑤継続的な改善

DXは一度きりのプロジェクトではなく、継続的なプロセスです。技術の進化に合わせてシステムを更新し、新しい機能やサービスを統合する必要があります。また、職員や学生からのフィードバックを常に収集し、システムの改善に役立てることも重要です。

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画像引用元:RESERVA公式サイト

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まとめ

今回は、DX化の重要性、成功に向けた具体的なステップと戦略を探りました。大学事務のDX化は、教育界における急速な変化と進歩に対応するための重要なステップです。DX化により、事務・経理業務の効率化、情報の透明性、教育サービスの質の向上が実現されます。今後も、このデジタル時代における教育の進化に注目していきましょう。RESERVA.acでは、大学のDX化に関する記事を今後も取り上げていきます。

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