毎年、多くの大学で新しい時代にふさわしい取り組みが行われています。しかし、他大学のホームページなどを閲覧する機会がなく、それらの取り組みについて詳しく知らない方も多くいます。
今回は、そんな方に向けて、国公立大学が行っている新たな取り組みを、旧七帝大に絞って紹介、考察していきます。
この記事を通して、激しく動く時代に適応するための新たな取り組みに出会えたら幸いです。
各大学の新たな取り組み
東京大学|グローバル・インターンシップ・プログラム
東京大学は、世界で活躍できるグローバル人材育成のために、「東京大学グローバル・インターンシップ・プログラム(UGIP)」を実施しています。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、2020年度と同じく、2021年度についても実施内容を大幅に変更しています。オンライン上の企画、短期ワークショップなどの企画を含め検討中です。
2019年度は、50人弱の学生を受け入れ、6月の事前ワークショップ、8月の見学を経て、8月から9月にかけて、2~3週間程度の現地活動が実施されました。
そして現地活動での内容をもとに、12月に成果報告会が行われました。
詳しくは下記をご覧ください。
東京大学「教育・学生生活>特徴的な教育活動>東京大学グローバル・インターンシップ・プログラム」
京都大学|メディカルイノベーション大学院プログラム
京都大学は2015年以降、日本が強みをもつ分野で企業や海外機関などと大学が連携し最先端の教育を可能とする「卓越大学院」の創設を提言し、2018年度より「卓越大学院プログラム」事業を開始しました。
メディカルイノベーション大学院プログラムは、卓越大学院プログラムのひとつとして、2019年に採択されたものです。
当プログラムは、医学研究科、薬学研究科の修士課程、博士課程後期、4年生博士課程の学生を対象としており、「時代を担うメディカルイノベーター人材の育成」のために、
・基礎研究から成果の社会実装までカバーする先進的な産学連携の教育研究体制
・多彩なプログラム担当教員、若手メンター教員によって学生の多様なニーズへの対応
・国内外の研究機関と連携した研究体制
をかかげています。
詳しくは下記をご覧ください。
京都大学 メディカルイノベーション大学院プログラム
大阪大学|OUビジョン2021
大阪大学は、「研究開発エコシステム」による5つのOpen(共創)を推進し、知・人材・資金の好循環を実現するための「OUビジョン2021」を実行しています。
ここで言う「5つのOpen(共創)」とは、
・Open Research:卓越した研究成果の持続的創出
・Open Education:強い研究力を持ち、未来の課題に挑戦する人材の輩出
・Open Innovation:研究成果の円滑な社会実装と、基礎研究へのフィードバック
・Open Governance:財務基盤の強化と人事・給与マネジメント改革
・Open Community:トップレベルの基礎研究展開のための国際共創活動
の5つであり、これらをOUビジョン2021実現に向けた重点施策としています。
これまでにも、卓越大学院プログラムの採択や、高大接続の推進、大阪府との包括連携協定締結など、OUビジョン2021実現に向けて数多くの実績を残しています。
詳しくは下記をご覧ください。
大阪大学「特色ある活動>OUビジョン2021─社会変革に貢献する世界屈指のイノベーティブな大学へ」
東北大学|未来型医療創造卓越大学院プログラム
東北大学は、卓越大学院プログラムとして、2019年度から「未来型医療創造卓越大学院プログラム」を開始しました。
当プログラムには、
・Data Scienceコース:データに基づく福祉・医療の高度化、先鋭的な予防・診断・治療法の開発など
・Technologyコース:医療と福祉のイノベーションを目指した、新しい技術の開発と実用化など
・Societyコース:医療・保健・介護の政策立案及び実施、医療・福祉の充実と社会の成長を調和させるシステムの構築など
の3つのコースがあり、学生の持つ目的に応じたコースを選択できます。
研修期間や就学支援などの手厚いサポートだけでなく、企業・行政との連携によって学生が実社会と接点をもつ機会を提供し、学生の成長を徹底的にサポートしております。
詳しくは下記をご覧ください。
東北大学 未来型医療創造卓越大学院プログラム
九州大学|アントレプレナーシップ
九州大学は、米国にて起業家として大成功をおさめた九州大学の卒業生、ロバート・ファン博士の100周年記念寄付金をきっかけとして、九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター(QREC)を設立しました。
QRECは、トップクラスのアントレプレナーシップ教育・研究組織を目指すために、3つの観点からの活動を推進しています。
国際的な学生交流、教員交流を進め、多様性ある環境を提供する「グローバル」の観点、座学による講義にとどまらず、ケーススタディや産学連携を進める「プラクティカル」の観点、問題解決における発想力・能力を高めるための「デザイン」の観点です。
これら3つの観点から、九州大学の全学部・大学院生を対象に、世界に羽ばたくリーダー人材輩出に尽力しています。
詳しくは下記をご覧ください。
九州大学 ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター
北海道大学|IT系連携授業
北海道大学は、2020年6月からSCSK北海道株式会社と連携し、急速に進むグローバル化のなかで、自分の頭で考える思考力と、自ら行動する自律力を高め、社会の課題解決に寄与できる人材を輩出するために「IT系連携授業」を実施しています。
今までにもIT系連携授業として、「スマートフォンアプリケーション作成を通し、論理的思考を学ぼう」、「ハッカソンで自分たちのスマートフォンアプリケーションを作り、北海道の未来を考えよう」など、IT技術を通して思考力と自律力を高める講義を実施してきました。
詳しくは下記をご覧ください。
PRESS RELEASE 2020年5月12日「SCSK北海道との『IT系連携授業』を実施~未来の世界・北海道へ挑戦する『思考力』『自律力』を向上~」
名古屋大学|NU MIRAI 2020
名古屋大学は、教育・研究の成果を継続し、さらに発展させるために、2015年に総長の任期中に達成すべき目標として、「NU MIRAI 2020」を掲げました。
総長プランはスローガンのような形で掲げられがちですが、目標達成に向け資源を最大限に活用するために、「NU MIRAI 2020」はわかりやすい経営計画として作成されています。
具体的な数値目標や手段を示し、名古屋大学のさらなる発展へと向かっています。
詳しくは下記をご覧ください。
名古屋大学 公式サイト「名大未来育成プロジェクト」
様々な参加型プログラムと予約システム
各大学で未来的思考は強く、ITに取り組む大学もあります。その取り組みにおける選択肢のひとつとして予約システムの導入が挙げられます。学生向けプログラムへの申し込みに予約システムを導入することは、申し込み数を増やすうえで有効な手段になり得ます。今まで窓口で行っていた申し込み手続きをオンライン化することで、大学・学生双方の負担を軽減し、申し込みのハードルを下げられます。
さらに、今まで大学ホームページから申し込みを行っていた場合も、RESERVA予約システムのサブ管理者設定機能や、IPアドレス制限機能などによって、さらなるセキュリティの強化も見込めます。
まとめ|関連記事
今回は、国公立大学が行っている新たな取り組みをご紹介しました。各大学の新たな取り組みを見てみると、ITや医療、グローバルなど現代において動きを増してきた分野に関する取り組みが多く、激しく動く時代の潮流のなかでも各大学が依然として前線に身をおいていることがわかります。
この記事を通して、この時代に適応するうえで参考になる取り組みが見つかれば幸いです。
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