大学入試の実施には、募集要項の作成や出願受付、受験票の発行から合格通知・入学手続き書類の送付と、入試当日の前後で多くの業務が発生します。紙でのやり取りをベースにした従来の大学入試は効率的でなく、志願者と職員のどちらにも大きな負担が生じます。
このような問題を解決するためには、予約システムの導入をはじめとする、大学入試のDX(デジタル・トランスフォーメーション)が有効です。本記事では、大学入試の運営に予約システムを導入した際のメリットや、導入の方法、おすすめの機能について、大学での導入事例を交えながら解説します。
大学入試について
大学入試の重要性
日本私立学校振興・共済事業団が2024年に発表した「私立大学・短期大学等 入学志願動向」によると、志願者が定員に満たない大学の数は前年より34校増加して354校、大学全体に占める定員割れの割合は59.2%と、過去最高を更新したことが明らかになりました。定員割れが起こる大学も多い中で、より多くの受験生に志願してもらうには、オープンキャンパスなどのイベント告知や受験しやすい入試制度の整備、入学までのスムーズな運営が必要となります。
現代の大学入試の課題
大学入試への出願は、志願者が紙の願書を取り寄せ、手書きして郵送するのが一般的です。大学側は受領した願書を1枚ずつ確認しなければならず、記入ミスがあった場合には、志願者に差し戻す手間が発生します。また、受験料の請求や徴収処理対応に付随する書類の作成や振込確認も必要であり、入試担当者に多くの負担がかかっているのが実態です。
これらの課題を解決するためには、入試プロセスの見直しと、より効率的なシステムの導入が効果的です。
予約システムを導入するメリット
効率的なスケジュール管理の実現
予約システムの導入によって、願書受付から入学まで効率的にスケジュールを管理できます。学部・学科ごとの志願状況をシステム上で確認できるため、各教室の収容人数や対応できる職員の数に合わせて、入試の日程や会場を振り分けられます。また、担当者はスケジュール管理以外の業務に集中でき、入試に向けた大学の広報活動などに時間を割くことができます。
自動メールで連絡を最小限化
予約システムは、入試のスケジュール調整を可能にするだけでなく、志願者への連絡も一括で操作できます。願書を受け付けた旨や入試の日程・会場など、受験生に必要な情報を自動メールで送信でき、個別にメールを作成する手間を省けます。メールでの連絡と合わせて、予約システムのトップページにお知らせを掲載しておくことで、変更点があった場合にもすべての受験生に周知することが可能です。
大学入試向けの予約システムの機能
予約リマインドメール
予約リマインドメールは、予約日の前日に予約情報を通知する機能です。さまざまな大学を並行して志願している学生は、受験する大学と日程の把握ができていない可能性があります。入試前日にリマインドメールを送ることで、無断欠席のリスクを回避できます。
セルフチェックイン
セルフチェックインとは、予約者自身で来場処理をおこなう機能です。セルフチェックイン用のQRコードを入試会場の入口に用意しておき、受験生がQRコードを読み取ると、予約状況が「来場」に変更されます。受験生の出欠をシステムで確認できるため、入試当日の業務を削減できます。
事前カード決済機能
事前カード決済機能を導入すると、予約メニューの代金をオンラインで決済できます。出願時に必要な受験料の支払いをネットで済ませることができ、銀行や郵便局へ振り込みに行く手間を削減できます。また、受験日を予約した段階で決済が完了するため、志願者が期限までの入金を忘れてしまう事態を防ぎます。
大学入試のデジタル化に成功した大学の事例
青山学院大学
青山学院大学では、出願から入学手続まで受験者が利用するシステムを集約したサイト「UCARO(ウカロ)」を導入しています。
UCAROの導入によって、出願から入学手続まで同一システム内で管理できるため、データの作成や検証を担当する職員の作業が軽減されました。また、一気通貫してデータ連携されていることで、確認などの事務作業が安全かつ効率的に実施できるようになり、セキュリティ面の改善と生産性の向上が実現しました。
参考ページ:UCARO 導入事例「青山学院大学様 入学広報部」
立命館大学
立命館大学では、入試業務のDXと志願者の利便性向上のため「The Admissions Office(ザ・アドミッションズオフィス)」を導入したオンライン出願を実施しています。
学生募集から入試、入学手続きまで一連の項目を担う入学センターでは、プログラムや入試方式、出願数の増加に伴う業務の煩雑化や工程数の多さが課題となっていました。オンライン出願を導入することで、大学の業務と入試執行の整合性を図り、出願処理業務のスリム化だけでなく、受験生とのコミュニケーションや改善スピードの向上を実現しました。
参考ページ:The Admissions Office「TAOの導入で大学入試のDXを推進する立命館大学の今とこれから」
中央大学
中央大学入試課では、2022年6月にZendesk®を導入し、FAQの刷新を敢行しました。入学志望者からの電話・メールの問い合わせ削減や、これまで別々で行っていたメールと電話の問い合わせ履歴の管理を一元化し、業務効率化を図っています。
志願者にとって最初の窓口である入試課は、問い合わせに対して素早く正しい回答を示す必要があります。中央大学入試課は、FAQをデジタル化により充実させることで、出願段階で大学の信頼を高めることに成功しました。
参考ページ:株式会社ODKソリューションズ「“絶対にミスが許されない”中央大学入試課の業務にZendesk®導入」
大学入試にはRESERVA
大学入試向けの予約システムとしておすすめなのが、業界トップシェアを誇る予約管理システム「RESERVA」です。30万社以上が利用するRESEREVAは、350以上の業種に対応しており、国公立大学、私立大学など多くの現場で広く導入されています。手軽な無料プランから始めることができ、わかりやすくシンプルな操作性で、はじめて予約システムを導入する大学でもかんたんに利用できる点が特徴です。
RESERVAは、サービス提供(スタッフあり・なし)、施設、宿泊施設、スクール・アクティビティ、イベント・セミナーの6つの予約タイプに対応しています。大学のあらゆる場面で利用でき、入試に最適な予約サイトの提供が可能であるため、志願者の満足度を高めることにつながります。また、前述の予約リマインドメール、セルフチェックイン、事前カード決済機能をRESERVAは3つとも備えており、大学入試の運営には申し分ありません。
予約システムの導入におすすめのRESERVAの詳細はこちらをご覧ください。
まとめ
今回は、大学入試業務に予約システムを導入するメリットや実際の導入事例について紹介しました。予約システムは、出願から入試当日までのスケジュール調整だけでなく、合格者の入学手続きまでの決済ツールや連絡手段としても役立ちます。業務が多岐にわたる大学入試において、一括で管理できる予約システムを導入することで、職員の負担軽減と志願者の利便性向上が可能になり、スムーズで効率的な入試運営につながります。
RESERVA.acでは、大学のDXに関する事例を今後も取り上げていきます。