大学DXセミナー事例|実施効果とDX人材の育成

大学DXセミナー事例|実施効果とDX人材の育成

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大学においてDX(デジタルトランスフォーメーション)化の推進は不可欠な課題の1つです。本記事では、DXセミナーを実施することの効果やその事例、DX人材を育成するためのカリキュラム構築などを解説します。実践的な知識を身につけ、未来を見据えた教育のための参考にしてください。

DXセミナーの基礎知識

DXは、情報技術を駆使して組織の業務プロセスや企業文化、顧客体験を変革することを指します。DXに関する正しい知識を身につけるために行われるDXセミナーは、DX化が進まない課題の1つである、DX人材不足を解決する有効的な手段です。DXセミナーは、IT知識だけでなく、経営戦略やDX化した先のビジョンを構築・実行できる人材の育成が可能です。

DX推進の背景

DXの推進は、世界的なデジタル化の波に伴う必然的な動きであり、今後の社会において重要なテーマとなっています。特に今後を担う学生をDX人材として育成することは、新型コロナウイルス感染症の影響による社会情勢の変化や、少子高齢化による労働者の減少といった問題の解決に寄与します。したがってDX人材育成を推進することは、DX人材の不足に悩む日本において不可欠です。

大学で実施されるDXセミナーの目的

未来のデジタル社会を支えるDX人材の育成方法として挙げられるのが、大学でのDXセミナーの開催です。DXセミナーでは、デジタル技術の理解を深め、これをビジネスや社会に応用する能力を養えます。学生たちは、このセミナーに参加することで、デジタル変革を推進する上で必要な戦略的思考や問題解決スキルを学び、将来的に企業や組織のDX推進に貢献できる人材に近づくことができます。

大学におけるDXセミナー実施のメリット

大学におけるDXセミナーがもたらすメリットは多岐にわたります。ここでは、教育機関が直面する現代の課題をDXがどのように解決するか、そしてその実践が学生だけでなく大学組織全体にとってもたらす利益について具体的に見ていきましょう。

学生と教員のスキル向上

DXセミナーを通じて、学生はデジタルスキルの重要性を認識し、その学習と応用を進展させることができます。また、教員は最新の技術を取り入れることで教え方を革新し、学習体験の向上を図れます。この結果、学生は社会に出た際に即戦力となり、教育機関もより高いレベルの教育を提供することができるようになります。

大学運営の効率化

大学運営や教員もDXセミナーを通してDXについて学習することで、大学全体のDXが推進されます。学内にDXを取り入れることで、大学運営のさまざまなプロセスがデジタル化され、効率が大幅に向上します。書類の電子化や、オンラインでの手続きは事務作業の効率化を実現し、教職員は本来の教育活動にもっと時間を割くことができるようになるため、教育クオリティの向上にも寄与します。

産学連携と地域社会への貢献

DXセミナーを実践する大学は、産業界との連携を促進し、地域社会のデジタル化を支援するリーダーとなることが期待されます。地元企業との協働で、現実の問題解決を目指すプロジェクトに学生を参加させることも可能です。これにより、学生は実践的な経験を積み、大学は社会への積極的な貢献を通して存在感を示すことができます。

 

大学におけるDXセミナー事例

岩手大学

画像引用元:岩手大学公式サイト

岩手大学奥州市は、企業の経営力・技術力向上につなげる方策の1つとして、岩手大学のDX支援についての講演や、奥州市内企業の自動化技術導入の経過などについての紹介を行う「地域企業×岩手大学×奥州連携フォーラム2023」を開催しました。

本フォーラムは、「自動化がもたらす新たな未来~次世代を切り開く岩大の『知』~」というタイトルのもと、それぞれの企業や団体が導入すべき自動化技術について見極めるという目的で実施されました。また2023年度に岩手大学に新設された、地域と岩手大学生との協創を目指す「地域協創教育センター」の紹介も行われ、地域と大学の連携をさらに強固なものにしました。

関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|岩手大学のデジタル化事例紹介
参考記事:
岩手大学「地域企業×岩手大学×奥州連携フォーラム2023の開催について
参考記事:
奥州市「地域企業×岩手大学×奥州連携フォーラム2023

静岡大学

画像引用元:静岡大学公式サイト

静岡大学の情報学部は、DX化が加速する現代とデジタルシステムを活用する社会の未来について考える、「地域DX推進シンポジウム」を開催しました。このシンポジウムでは、自治体・企業・市民が地域で連携しながら、同時にDXを推進していくための方策を探り、そのヒントを参加者に提供しました。

当時の浜松市長である鈴木康友氏によるデジタル・スマートシティ構想や、静岡大学教員のパネルディスカッションなどを通して、浜松市の取り組みや地域の産業との連携についても考える機会となりました。

関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|静岡大学のデジタル化事例紹介
参考記事:静岡大学情報学部「地域DX推進シンポジウム『コロナ禍を越えてその先へ。』_参加無料

埼玉大学

画像引用元:埼玉大学公式サイト

埼玉大学では、年に数回DX技術を活用した「ものづくり人材育成実践セミナー」を開催しています。

埼玉県は、大学や研究機関の革新的な研究と企業技術の統合を進め、それらを実用化、製品化、事業化へと導く支援を強化しています。特にDXが注目されており、社会課題の解決や新サービスの開発に欠かせないツールとして活用されています。この背景から、埼玉大学のセミナーは埼玉県の支援を受けて開催しています。

「令和5年度DX技術を活用したものづくり人材育成実践セミナー」では、DXや人工知能、データサイエンスの基本から、認識、理解、学習、判断、予測といった技術について初心者にも理解しやすく解説しています。また、参加者はDX、AI、VR、ロボットシステムの設計と製作に取り組み、最終日にはグループごとの成果発表と総合討論を通じて、DXシステム開発の知識と技術を深めます。

関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|埼玉大学のデジタル化事例紹介
参考サイト:
埼玉大学「令和5年度DX技術を活用したものづくり人材育成実践セミナー開催のお知らせ

電気通信大学

 

電気通信大学が代表機関を務める、データアントレプレナーコンソーシアムは、「ボトムアップのDX」というセミナーを開催しました。

業務のあらゆる側面をDX化することは、各組織の課題であるため、多くの組織でトップダウンのDXが行われるようになりました。しかし、そうしたトップダウンからのDXは、PoC(Proof of Concept、概念検証)レベルを超えるほど、組織に根付いた前提として業務改善に役立っているわけではありません。対して、現場のニーズを解決することから始まった、ボトムアップからのDXは、広く組織全体のDXを推進し、効果を上げている事例が散見されます。

本セミナーは、その「ボトムアップのDX」をテーマとして、さまざまな分野の講師とともに、本当に利用すべきDXのために何が必要なのかを考えるきっかけとなりました。

関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|電気通信大学のデジタル化事例紹介
参考記事:電気通信大学「特別セミナー『ボトムアップのDX』【7月26日オンライン開催】

東京農工大学

 

東京農工大学では、DXを基礎から支えている情報知能工学をはじめ、工学・農学の教育研究を最先端で実施しており、情報技術と幅広い研究を組み合わせた新技術の種を創出しています。本セミナーは、令和4年(2022年)度に経済産業省地域DX促進事業の採択を受けており、農・工先端研究と情報科学技術による最先端の研究や取り組みの成果から、地域企業における新デジタル事業創出のヒントを提供しました。

関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|東京農工大学のデジタル化事例紹介
参考記事:一般社団法人首都圏産業活性化協会「【1月31日(火)15:00~@農工大】新技術セミナー『農・工先端研究×情報科学技術からの事業創出』

DX人材を育成するためのカリキュラム構築

人材育成の目標設定

DXを推進する人材を効果的に育成するためには、明確な目標設定が必要不可欠です。大学は、産業界のニーズに即した実践的なスキルを有する人材の養成が求められます。次世代の技術進化に柔軟に対応できるように、学生に対し、データサイエンス、プロジェクト構築、ビジネス知識の理解を深めさせることが必要です。

必要とされるスキルの特定

DX人材に求められるスキルは多岐にわたります。デジタル化の基礎を理解することから、先端技術を活用する能力、さらにはそれらを組織やビジネスに適用する経営的な視点も求められます。これらを総合的に捉え、カリキュラムの中でバランス良く取り入れるために、大学が実務家や業界団体と連携を図りながら、教育プログラムの開発を進めることが重要です。

産業界のニーズにもとづいたプログラム開発

産業界とのタイアップにより、リアルなビジネス環境で求められるスキルや知識を、カリキュラムに反映させることができます。インターンシップの充実、産学共同でのプロジェクト実施、実務家によるセミナーの開催など、学生が実務経験を積む機会を提供することが、実効性のあるDX人材の育成には不可欠です。また、これにより、卒業後の就職に直結する具体的なスキルを学生が身につけることが可能となります。

名古屋大学株式会社アドヴィックスは、AIを活用した次世代ブレーキの共同研究に取り組んでいます。名古屋大学はAI分野などの情報学の研究に尽力し、アドヴィックスは、世界的に有名なブレーキシステムサプライヤーとして、予防安全や先進運転支援システムなど自動車の安全性に関する技術を開発しています。2者の産学連携により、AIのブレーキ設計や開発への応用性や発展性を高める産学共同研究が実施されています。

関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|名古屋大学のデジタル化事例紹介
参考記事:
名古屋大学情報学部大学院情報学研究科「プレスリリース『アドヴィックスと名古屋大学、新世代のAI実用化のため産学連携し、次世代ブレーキ開発を加速』

大学DXにはRESERVA

 

画像引用元:RESERVA公式サイト

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まとめ

本記事では、大学のDXセミナー実施におけるメリットや実際の事例を紹介しました。DXセミナーは、DX人材育成に不可欠であり、社会に対して多大な影響力があります。DXセミナーで、デジタル技術の理解を深め、ビジネス・社会に応用する能力を育成しましょう。

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