大学におけるDX人材育成|スキルアップのためのプログラム

大学におけるDX人材育成|スキルアップのためのプログラム

更新

デジタル変革を推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)人材の育成は、大学教育においても欠かせないテーマとなっています。本記事では、大学におけるDX人材のスキルと、それを培う教育プログラムについて詳しく解説します。

DX人材とは

DXは、デジタルテクノロジーを使用してビジネスモデルを根本から変革し、そしてサービスの質を向上させることによって組織の競争力を高める革新的なプロセスです。DXを遂行できる人材は、企業にとって非常に価値があるとされ、デジタル化による効率化や新規事業の創出に寄与します。

DX人材は、そのDXを推進し、新たな価値を創出するために必要な人材を指します。デジタル技術の急速な進展に伴い、企業は経営戦略や業務プロセスなど包括的にデジタル化を進めることが求められます。その中核となるのが、DX人材です。彼らは高度なITスキルだけでなく、ビジネス戦略を理解し、実行に移すことができる能力を持つ必要があります。

関連リンク:
大学のDX化推進で得られるメリットを徹底解説|教育業界に革命を
大学のDX推進事例から学ぶ|効果的なDX変革のポイント

必要とされるDX人材の特徴

DX人材には、複雑な問題解決能力やプロジェクトマネジメント、チームビルディングなどの幅広いスキルが求められます。また、急速に変化するデジタルの流れを読み解き、その中で新しいビジネスチャンスを見出す洞察力も不可欠です。技術だけでなく、コミュニケーション能力や戦略的思考が求められる多面的な人材です。

経済社会におけるDX人材の役割

経済社会においてDX人材は、デジタル技術を駆使した新しいビジネスモデルの開発や、従来の業務プロセス改善など、企業や社会の生産性向上に大きく貢献します。彼らにはテクノロジーを活用するだけでなく、変化への適応やイノベーションを促す力が期待されています。

 

大学におけるDX人材育成の現状

デジタル技術の発達に伴い、産業界全体でDXが進展したことを受け、大学においてもDX人材育成の重要性が高まっています。ここでは、日本の大学におけるDX人材育成の現状として、教育カリキュラムの整備、企業との連携、およびDX教育の課題に関して詳細に解説します。

大学教育におけるDX関連カリキュラム

DXの潮流に対応して、多くの大学が情報技術の基礎知識から、データ分析、AI(人工知能)技術、さらにはビッグデータの活用に至るまで、多岐にわたるDX関連のカリキュラムを設置しています。学生に実践的なスキルを身につけさせるためのプログラミング演習やプロジェクト主体の授業も増えており、相互的な学習が推進されているのが現状です。

関連リンク:
DX推進に欠かせないリカレント教育|大学が担うDX人材の育成

大学と企業の連携事例

近年では、大学が企業と連携し、共同研究やインターンシッププログラムなど、実践的なDX人材育成に取り組んでいます。実際に企業のプロジェクトに関わりながら、学生が実務経験を積むことができる試みは、学生にとって貴重な機会となると同時に、企業側にとっても新たなアイディアや若いエネルギーを得る場となっています。

DX教育の課題と展望

DX人材を育成するプログラムには、カリキュラムの速やかな更新、教員の専門性の強化、学際的な授業内容の開発など、教育の質を維持・向上させることが求められ、これはDX教育を取り巻く課題となっています。企業の求めるスキルと教育カリキュラムとのギャップも指摘されており、業界ニーズに即した教育の提供が今後の展望として期待されています。

スキルアップのために必要なプログラム

 

基礎となる情報技術スキル

現代社会を生き抜く上で必要不可欠とされる情報技術スキルには、プログラミング言語の知識やデータベース管理、クラウドサービスの利用方法、セキュリティ対策力などが挙げられます。DX教育に特化した大学のプログラムでは、これらの知識を広く深く学べるカリキュラムが構成されており、学生は実践的な課題を通して実力をつけています。こういった大学の目的は、IT業界だけでなく、あらゆる業界で必要とされるテクノロジースキルを身に付け、即戦力となる人材の育成です。

実践的なプロジェクトマネジメント

プロジェクトの成功には、適切な計画、実行、管理が不可欠です。学生たちは、プロジェクトマネジメント理論に基づいてプロジェクトを立案し、目標設定からリスク管理、チームビルディングに至るまでのスキルを習得します。また、アジャイル開発(※1)スクラム(※2)といった現代的な開発手法に関する知識も取り入れ、変化に強い柔軟な思考が求められる社会人としての基盤を築きます。

(※1)アジャイル開発:「アジャイル(Agile)」は素早い、機敏という意味を指し、従来の開発方法と異なり、計画や設計の段階を長くとらず、小さな部分から開発を始め、2週間から1カ月ごとに小さな機能を開発し、頻繁にフィードバックを取り入れながら改善する方法です。柔軟性が高く、市場や顧客のニーズの変化に迅速に対応でき、優先度の高い機能から着手するため、素早くリリースしてブラッシュアップしていくことが可能で、仕様変更に強いという特徴があります。
(※2)スクラム:チームワークを重視し、短い期間で具体的な成果物を作り上げる、アジャイル開発のフレームワークの1つです。スクラムでは、日々の短いミーティングで進捗を共有し、課題を明確にします。各期間の最後に、作成した成果物をレビューし、次期間の計画を立てます。この手法によって、進捗の可視化とチーム内のコミュニケーションを強化し、効率的な開発を目指すことができます。

ソフトスキルとリーダーシップの重要性

テクニカルスキルだけでなく、チームで働く上で不可欠なコミュニケーション能力や問題解決能力を伸ばす教育も必要です。リーダーシップや、チームメンバーとの協働、モチベーションの維持など、対人関係の土台となるスキルはどのような環境においても役に立ちます。多様なバックグラウンドを持つ同僚との協力や各関係者との対話を円滑に進めるためのトレーニングから、グローバルな視点でのビジネスコミュニケーションの手法まで、広範囲にわたるプログラムを学ぶことが不可欠です。

プログラムの具体的な取り組み

 

インターンシップと産学協同プロジェクト

大学がDX人材育成の一環として取り組むインターンシップは、学生にとって実際のビジネスシーンでの経験を積む有効な手段です。大学は企業と連携することで、学生がデジタル化の波を理解し、それに適応する能力を身につける機会を提供しています。産学協同プロジェクトでは、カリキュラムや研究活動を通じて、企業が直面する課題解決を学生が担うことで、理論と実践のギャップを埋める努力が行われています。

名古屋大学株式会社アドヴィックスは、AIを活用した次世代ブレーキの共同研究に取り組んでいます。アドヴィックスは、世界的に有名なブレーキシステムサプライヤーとして知られ、予防安全や先進運転支援システムなど自動車の安全性に関する技術を開発しています。一方、名古屋大学はAI分野などの情報学の研究に尽力しており、2者の産学連携によって、AIのブレーキ設計や開発への応用性や発展性を高める産学共同研究が実施されています。

関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|名古屋大学のデジタル化事例紹介
参考記事:
名古屋大学情報学部大学院情報学研究科「プレスリリース『アドヴィックスと名古屋大学、新世代のAI実用化のため産学連携し、次世代ブレーキ開発を加速』

キャリア形成を見据えた教育プログラム

教育プログラムは、技術を学ぶだけではなく、個々のキャリア形成を強く意識して構築されています。将来的なキャリアパスや業界動向を踏まえ、適切なスキルセットの養成を目指しています。積極的なキャリア支援とガイダンスにより、学生は卒業後、企業が求めるDX人材として活躍するための土台を築くことができます。

関西大学の「関大LMS(Learning Management System)」は、大学の講義をサポートする目的で開発された、独自の学習管理システムです。予習や復習、課題レポートなどが一括管理でき、学生は学習履歴や習熟度の詳細な把握が可能になります。学部や研究科、キャリアセンターなど、各部署が蓄積してきた入学時からのデータを一元化し、大学はそれをもとに学生1人ひとりに合わせた最適なキャリア形成をサポートしています。

関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|関西大学のデジタル化事例紹介
参考サイト:
関西大学 教育開発支援センター「授業のサポート

海外の大学との連携と国際競争力

グローバル化が進む現代において、海外大学との連携は一層の重要性を持っています。学生が異なる文化やビジネス環境での経験を積むことは、国際的な視野を持つDX人材の育成に不可欠です。双方の大学が共同でカリキュラムを開発し、交換留学プログラムを推進することで、学生は国際競争力を培い、世界で活躍するためのスキルを磨く機会を得ます。

上智大学が導入しているCOIL(Collaborative Online International Learning、国際協働オンライン学習)は、海外の大学と接続して行われるオンライン上の講義・ゼミなどの授業や、海外の学生と行う授業外のコミュニケーションを通して国際交流・協働を行う教育手法です。

学生のICTリテラシーやプロジェクト遂行能力の向上だけでなく教員間ネットワークの形成も行われており、共同研究の可能性を醸成する場所でもあります。 環境学、異文化コミュニケーション、国際看護、開発教育など、様々な分野で導入されており、今後の他分野への拡大も期待されています。

関連リンク:
【2024年版】大学DX化取り組み実態調査レポート|上智大学のデジタル化事例紹介
参考サイト:
上智大学「COIL (Collaborative Online International Learning:国際協働オンライン学習

大学DXにはRESERVA

 

画像引用元:RESERVA公式サイト

はじめてDXを導入する人も、DX導入経験のある人にも、おすすめできる予約システムとして、RESERVA(レゼルバ)を紹介します。

RESERVAは、27万社以上が利用する業界トップクラスの予約管理システムです。350以上の業種に対応しており、国公立大学、私立大学など多くの現場でも広く導入されています。このシステムの特徴は、無料プランから始められる手軽さにあります。また、サービス提供(スタッフあり・なし)、施設、宿泊施設、スクール・アクティビティ、イベント・セミナーといった6つの予約タイプに対応し、大学のあらゆる場面に最適な形で利用できます​​​​。

RESERVAは他のサービスとの連携が充実しており、ZoomやGoogleカレンダー、スマートロックといった外部システムとかんたんに連携できます。これにより、導入の初期段階での抵抗感が少なくなります。RESERVAは予約の失念を防ぐリマインドメールの送信や、オンラインカード決済機能も備えており、無断キャンセルや当日キャンセルを減らします。

予約システムの導入におすすめのRESERVAの詳細はこちらをご覧ください。

まとめ

大学でのDX人材育成は、実践的スキルと社会の要請に応じる能力の両方を備えることが重要です。DX人材を育成する多くの大学では、適切なプログラムを通じて、これらのスキルを身に付ける機会が提供されています。RESERVA.acでは、大学のDX化に関する記事を今後も取り上げていきます。

予約システムで、ビジネスを効率化

RESERVA.acは、大学向けのクラウド予約システム。国立大学、学校法人における導入実績は240以上。講義予約、オープンキャンパス予約、証明書発行窓口予約など様々なシーンで導入されています。