新型コロナウイルスの流行以降、オンライン講義やeラーニングが急速に普及しました。中でもeラーニングは、時間や場所にとらわれず、通学や講義の合間などのすきま時間でも学習を進めることが可能です。また、動画講義のため、何度も繰り返し視聴することができ、自分のペースで確実に理解しながら知識の定着を図れる点が魅力です。一方で、講師が直接対面で指導するわけではないため、学習者の理解度や進捗状況を把握しづらいことが課題として挙げられます。この課題を解決するために開発されたのが、LMSと呼ばれるシステムです。
そこで本記事では、LMSの種類や大学・企業におけるその活用事例について詳しく解説します。
LMSとは

LMSとは、Learning Management System(ラーニング マネジメント システム)の略称であり、日本語では学習管理システムと呼ばれます。LMSはeラーニングのベースとなるシステムであり、一般的にはGoogle ChromeやSafari、Microsoft EdgeなどのWebブラウザを用いたWebサービスとして提供され、大学をはじめとした教育機関や企業、各種スクールなどで利用されています。LMSは複数の機能を有しており、利用者の学習状況の可視化や、不明点に対する質問・学習履歴を蓄積し、管理できます。また、講義をコンテンツ化し保存できるため、同じ講義を繰り返す必要がなくなり、その時間をコーチングや講義の改善などに充てることが可能です。
大学に活用されるLMS
以下では、大学で導入・活用されているLMSについて紹介します。
Canvas LMS

CanvasLMSとは、信頼性の高いWebベースのLMSです。CanvasLMSの特徴として、無制限のデータストレージが挙げられます。講義で使用する教材や資料、映像などがどれだけ増えても、容量に制限なく使用することが可能です。また、バージョンアップや更新によるダウンタイムがなく、99.9%の稼働時間を実現しています。さらに、学生や教員は、スマートフォンやパソコンを使い、場所や時間を問わずにレポートの提出やコンテンツの更新、学習状況の確認などを行うことが可能です。CanvasLMSを活用している大学として、立教大学や慶應義塾大学が挙げられます。
Moodle

Moodleは、日本、ヨーロッパの大学でのシェア数がNo.1の世界標準LMSです。拡張性と柔軟性が高く、個々のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできることが強みです。さらに、さまざまな外部アプリケーションやプラットフォームに連携できるほか、現在使用している学内システムとも連携することが可能です。Moodleを活用している大学として、学習院大学や千葉大学が挙げられます。
Sakai

Sakaiは、研究大学を中心に広く採用されている100%オープンソースのLMSです。Sakaiには、強力なコミュニケーションオプションとグループサポート機能が備わっており、チームにおけるスムーズな作業を実現します。例として、アナウンス機能を用いることで、現在の緊急情報を特定の時間に学生へ通知できるよう設定可能です。また、コースやプロジェクトに関連するカレンダー機能や、非同期のソーシャルメッセージングツール上でサイトの参加者と対話できる、Commons機能を備えています。Sakaiを活用している大学として、法政大学や東京農工大学が挙げられます。
Open edX

Open edXは、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学が共同開発した、オープンソースのプラットフォームです。Open edXは、大規模公開オンライン講座(MOOC)の提供に特化しており、ほぼリアルタイムのデータ分析が可能なダッシュボードといった強力な分析機能を備えています。Open edXを活用している大学として、京都大学や早稲田大学が挙げられます。
企業に活用されるLMS
以下では、企業で導入・活用されているLMSについて紹介します。
LearningWare

LearningWareは、導入実績2,800社以上、月間利用者数100万人以上を誇るLMSです。20年以上にわたり、企業研修から代理店・フランチャイズ研修、学校教育、研修ビジネス、オンライン講習・試験まで幅広く活用されてきた実績があります。LearningWareは使いやすいデザインが特徴で、毎月行われる業界最速クラスのバージョンアップや、安心のサポート体制が用意されています。また、顔認証による本人確認やカード決済機能、シングルサインオン認証など、豊富な機能を保有しています。LearningWareの導入企業として、LINEヤフー株式会社や株式会社島津製作所などが挙げられます。
CAREERSHIP

CAREERSHIP(キャリアシップ)は、LMS市場売上No.1のシェアを獲得しており、複雑な組織にもフィットする柔軟さと、教材コンテンツの提供や内製、運用支援、コンサルティングまで行う拡張性が強みのLMSです。CAREERSHIPの特徴として、複雑な組織にも対応できる柔軟な配信・管理機能、チーム・部門・全社ごとの学習ニーズに応じた自動配信が挙げられます。また、別システムで運用していたコンテンツや履歴の移行作業代行や、研修施策の登録、配信代行など、CAREERSHIPの専門スタッフが作業を代行し、LMSを最大限に活用する育成体制を構築してくれる点もポイントです。CAREERSHIPは、トヨタグループや三菱商事株式会社など、多くの大手企業に導入されています。
SpeedLMS

SpeedLMSは、「マニュアルを見なくても使えることこそ理想」を理念に掲げ、「つかいやすさ」にこだわったLMSです。ITに不慣れな人でも、システム操作で迷わないように考え抜かれたシンプルな操作性に加え、無料のフリープランが用意されており、導入のしやすさが強みです。また、SpeedLMSはセキュリティの高さにも定評があり、IIJのクラウドサービスの利用や、大手企業のセキュリティ基準をクリアした、堅牢かつ信頼あるシステムです。導入企業として、株式会社リクルートや株式会社NTTデータなどが挙げられます。
etudes

etudes (エチュード)は、単なる「学習を管理するだけのシステム」にとどまらず、さまざまな顧客が自社に合った育成環境をデザインできるように設計されたLMSです。人材育成事業会社によって、教育効果をあげるための知見が豊富に盛り込まれた設計になっており、正社員・アルバイトなどの社内教育や階層別研修、代理店・フランチャイズ業務委託先への社外教育など、幅広い活用が可能です。導入企業として、株式会社日経BPや富士フイルムビジネスイノベーション株式会社などが挙げられます。
大学DXにはRESERVA

RESERVAは、累計導入数35万社を誇る、予約システムシェア国内トップクラスのクラウド型予約管理システムです。業界・業種問わずあらゆるビジネスに対応しており、350種類以上の業態でRESERVAが利用されています。アカウント発行から予約システム作成完了まで最短3分で、永久無料で使えるフリープランもあるため、導入コストを低くしたい、または使用感を確かめてから導入したいといった大学職員の方にもおすすめです。
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まとめ
本記事では、eラーニングを支えるLMSに焦点を当て、LMSの機能やメリットを、大学や企業における活用事例を織り交ぜ紹介しました。オンライン学習の課題を解消し、スムーズな学習管理を実現する上で、LMSの活用は非常に効果的です。
RESERVA.acでは、大学のDX化に関する記事を今後も取り上げていきます。