大学広報は、受験生や在学生・職員といった大学関係者のみならず、地域や企業、メディア関係者など、社会全体に向けて大学の取り組みや目指す方向を発信する仕事です。受験生向けの入試広報から、研究成果や産官学連携による大学のブランディング、卒業生や保護者に向けた情報発信まで、幅広い業務に関わっています。
東京大学大学院教育学研究科が2021年に発表した「第22回 全国大学事務職員調査報告書」によると、「コロナ禍を契機に業務の量が増えたか」という設問について「とてもあてはまる」「あてはまる」と回答した割合が65.8%に上る一方で、「業務の効率化が進んだ」と答えたのは36.9%と、大学職員の業務量の増加に対し、大学における働き方や組織のあり方に大きな変化は見られないのが現状です。
大学職員の業務負担を軽減するためには、広報活動のDX(デジタル・トランスフォーメーション)が効果的であり、予約システムの導入はDX推進に大きく貢献します。本記事では、大学広報の運営に予約システムを導入した際のメリットや、活用の方法、おすすめの機能について、大学での導入事例を交えながら解説します。
大学広報について
大学広報の重要性
大学広報の中でも重要な入試広報では、オープンキャンパスや説明会などの広報活動を通して、受験生の入学意欲を促進し、志願者数の増加につなげる必要があります。また、在学生や卒業生の愛校心を高めるためにも、メディア露出やSNSなどの効果的な運用によって、大学の特色や独自性、強みを広く知ってもらうことが重要です。大学広報は、一方的な情報発信だけでなく、発信した情報に対するリアクションに耳を傾け、受験生や在学生・卒業生の声をフィードバックし、大学の運営全体の改善に寄与する役割も担っています。
現代の大学広報の課題
大学広報では、受験生に興味を持ってもらうため、SNSをはじめとするデジタルツールの活用が求められます。Webサイトの整備やSNSの運用には、デジタルツールに関する知識の習得だけでなく、SNSへの投稿内容の企画や立案、PR動画や画像の作成に多大な人手が必要です。また、教員の研究成果や在学生・卒業生の活躍を配信するためのプレスリリース対応や、メディアが大学への取材を検討していても、問い合わせ先が明確でなかったり返信に時間を要するとアピールの機会を失ってしまう可能性があるため、報道対応窓口の整備も重要になります。
業務が多岐にわたる大学広報において、限られた人材でスムーズに運営を進めるためには、業務の見直しと効率的なシステムの導入が有効です。
予約システムを導入するメリット
効率的なスケジュール管理の実現
予約システムの導入によって、オープンキャンパスや取材対応などのスケジュールを効率的に管理できます。予約状況をシステム上で一括して確認できるため、大学でのイベント開催時には、各教室の収容人数やプログラム内容に合わせて日程や会場を振り分けられます。メディアからの取材に関しても、ダブルブッキングや把握漏れが発生する心配なく、空いている部屋や対応できる職員の数を見ながら、依頼を受けることができます。日程の調整作業が自動化されることで、担当者はスケジュール管理以外の業務に集中でき、新たな広報活動にも注力できます。
自動メールで連絡を最小限化
予約システムは、広報活動のスケジュール調整を可能にするだけでなく、オープンキャンパス参加者やメディアの取材担当者への連絡も一括で操作できます。開催日時や場所など、必要な情報を自動メールで送信できるため、個別にメールを作成する手間を省けます。また、メールでの連絡と合わせて、予約サイトのトップページにお知らせを掲載しておくことで、変更点があった場合にもすべての参加者に周知することが可能です。予約の空き状況は大学の公式ホームページに埋め込むことができ、参加者からの問い合わせ削減につながります。
大学広報向けの予約システムの機能
予約リマインドメール
予約リマインドメールは、予約日の前日に予約情報を通知する機能です。さまざまな大学のイベントに参加している学生は、予約したプログラムや日程の把握ができていない可能性があります。オープンキャンパス前日にリマインドメールを送ることで、無断キャンセルのリスクを回避できます。
顧客満足度評価
顧客満足度調査とは、自社のサービスや商品に対する顧客の期待・満足度を調査するものです。オープンキャンパスなどのイベント開催後に参加者からの評価を受けることで、今後の広報活動やイベント実施の改善につながります。アンケートは0〜10点の11段階で評価できるため、回答者が直感で答えやすい形式になっています。
お問い合わせフォーム
予約サイトの導入によって、24時間365日いつでも問い合わせを受け付けられるため、電話対応をする職員の常駐が不要になります。また、オープンキャンパスなどのイベントやメディア関係者のための窓口など、予約サイトをそれぞれ作成することで、サイトごとに問い合わせ内容を確認・回答でき、業務の振り分けがしやすくなります。
大学広報のデジタル化に成功した大学の事例
東洋大学
東洋大学では、2013年3月から入試情報サイト「TOYO Web Style」内で「Web体験授業」を公開しています。
「Web体験授業」は、東洋大学全学部の授業を通して学問の魅力を伝える動画コンテンツであり、11学部44学科の幅広い分野において、2013年から3年間で合計500本の動画を公開しました。動画で授業を体験できる環境を整えることで、キャンパスに訪れることが難しかった全国の受験生の情報格差をなくし、一般に向けても大学の知を公開することで、大学をより身近に感じてもらうことを目的としています。
京都工芸繊維大学
京都工芸繊維大学の公式サイトでは、オープンキャンパスのオンデマンド配信動画を提供しています。
公式サイト内の特設ページでは、教員の研究内容や過程等の紹介、在学生の体験談や協賛企画など、テーマごとに動画が分類されています。動画はYouTube上で公開され、同じチャンネル内に蓄積されていくため、受験生は前年度のオープンキャンパスの様子も確認できます。また、サイトにはオープンキャンパス当日の開催風景も掲載されており、大学に足を運ぶことのできなかった学生にも、講義内容や校内の雰囲気を知ってもらうことができます。
近畿大学
11年連続で志願者数が日本一である近畿大学は、広報室を中心にSNSでのPR活動に力を入れており、X(旧Twitter)とInstagramのアカウントにおけるフォロワー数についても、日本一になるという目標を立てています。
近畿大学のXアカウントでは、カリキュラムや学校行事の紹介、オープンキャンパスや入試情報など、受験生に役立つ情報が公開されています。周辺地域に関する投稿も多く、大学だけでなく地域の魅力も熱心に発信しているのが特徴です。キャッチーな要素が強いXに比べて、Instagramではイベント告知や学生のスナップなど、キャンパスや在学生の雰囲気が伝わるような投稿が多くなっています。
参考URL:近畿大学公式X
大学広報にはRESERVA
大学広報向けの予約システムとしておすすめなのが、業界トップシェアを誇る予約管理システム「RESERVA」です。30万社以上が利用するRESERVAは、350以上の業種に対応しており、国公立大学、私立大学など多くの現場で広く導入されています。無料のフリープランから始めることができ、わかりやすくシンプルな操作性で、はじめて予約システムを導入する大学でもかんたんに利用できます。
RESERVAは、サービス提供(スタッフあり・なし)、施設、宿泊施設、スクール・アクティビティ、イベント・セミナーの6つの予約タイプに対応しており、大学のあらゆる場面で利用できるため、広報活動に最適な予約サイトの提供が可能です。また、RESERVAでは前述の予約リマインドメール、顧客満足度調査、お問い合わせフォームといった機能をすべて備えており、大学広報の運営には申し分ありません。
予約システムの導入におすすめのRESERVAの詳細はこちらをご覧ください。
まとめ
今回は、大学広報業務に予約システムを導入するメリットやおすすめの機能について紹介しました。予約システムは、イベント開催時やメディアの取材対応におけるスケジュール調整だけでなく、連絡手段や分析ツールとしても役立ちます。幅広い業務を担う大学広報において、一括で管理できる予約システムを導入することで、職員の負担軽減とスムーズで効率的な運営が実現します。
RESERVA.acでは、大学のDXに関する事例を今後も取り上げていきます。