大学のキャリア相談におけるデジタル技術導入事例を解説

大学のキャリア相談におけるデジタル技術導入事例を解説

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近年、デジタル技術の進展とその普及は目覚ましいものがあります。加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、Zoomなどを用いたオンラインミーティングや、窓口のオンライン事前予約制導入など、結果としてデジタル技術の活用が大きく促進されました。この変革の波は教育界にも大きな影響をもたらしており、特に大学のキャリア相談の領域においても新しい取り組みが増加しています。スマートフォンやAI、クラウドサービスといった技術を駆使して、学生たちの将来の進路やキャリアの選択をサポートする方法が多様化してきました。

本記事では、大学のキャリア相談でデジタル技術がどのように活用されているのか、その最前線の事例を紹介します。

大学におけるキャリア・就活相談とは

大学のキャリア相談(就活相談)とは、学生が自身の将来の職業やキャリアについてアドバイスや指導を受けるための機会です。大学内に設置されたキャリアセンターやキャリアサービスを通じて、専門のキャリアカウンセラーやアドバイザーによる面談やグループセミナーなどを利用することができます。学生は自己分析や進路探索、就職活動に関する情報収集など、キャリア形成に必要な支援を受けることが可能です。

キャリア相談の概要

キャリア相談は、大学生が卒業後の進路や将来の職業について自己理解を深めるためのサービスです。キャリアセンターやキャリアサービスを通じて、キャリアカウンセラーとの面談やグループセミナーなどを利用することができます。具体的な内容としては、自己分析を行い自身の興味や能力、価値観を把握することや進路選択に関する情報収集、就職活動に向けた準備などがあります。キャリア相談を通じて、学生は自己理解を深め、将来の職業について具体的なアクションプランを立てることができます。

キャリア相談の目的

キャリア相談の目的は、学生が自身のキャリアや就職についてより具体的なビジョンを持ち、実現するためのスキルや情報を身につけることです。大学生はキャリア相談を通じて、将来の進路や職業の選択に迷ったり、自己理解や自己評価の課題を抱えていることが多いです。キャリア相談では、それらの課題を解決するために、専門のカウンセラーが個別に対応してくれます。学生は自己理解の深化や進路探索によって、自身のキャリアの方向性を明確にし、具体的なキャリアプランを立てることができます。

キャリア相談の利点

キャリア相談を利用することには、いくつかの利点があります。

まず一つ目は、キャリアカウンセラーからの専門的なアドバイスを受けることができる点です。キャリアカウンセラーは、多くの学生の進路相談に携わってきた経験を持ち、さまざまな職業や業界に関する情報を提供してくれます。また、自己分析や進路探索のためのツールや資料も提供してくれるため、自己理解を促進することができます。

二つ目は、キャリア相談を通じて他の学生とコミュニケーションをとることができる点です。グループセミナーやワークショップなどの機会を通じて、他の学生と情報や意見を共有し合うことで、進路選択やキャリア形成におけるアイデアを得ることができます。最後に、キャリア相談は大学内で提供されるため、学生は気軽に利用できるという利点もあります。大学のサポートを受けながらキャリア形成を進めることができるため、安心感や信頼性があります。

デジタル技術の活用によるキャリア相談の効果

近年、デジタル技術の発展とともに、キャリア相談の領域でもその恩恵が広がっています。特にWeb会議やAIを活用した自己分析ツールなどが注目されており、これらの技術はキャリア相談に新たな視点と可能性をもたらしています。

デジタル技術がキャリア相談にもたらすメリット

デジタル技術がキャリア相談にもたらすメリットは大きく分けて2つあります。

一つ目は、時間や場所の制約を超えた相談が可能となる点です。Web会議システムを用いれば、遠方にいても直接相談することが可能となります。これにより、多忙なビジネスパーソンや地方在住者でも質の高いキャリア相談を受けられるようになりました。

二つ目のメリットは、AI技術を活用した自己理解の助けとなる点です。人間が過去の経験や知識だけで判断するのに対し、AIであれば、無数のデータから的確な分析結果を導き出すことができます。AIは深層学習を駆使して各人の適性、経歴、志向などから最適なキャリアパスを提案することも可能です。

デジタル技術を活用することで、情報の収集や分析が容易になり、相談者一人ひとりに最適化されたソリューションを提供可能になるなど、キャリア相談の質の向上にも貢献しています。

これからのキャリア相談に求められるデジタル力

これからのキャリア相談には、より一層のデジタル技術の活用が求められています。クラウド、AI、ビッグデータといった技術を適切に活用し、より的確かつ効率的なキャリア相談を提供することが求められているのです。また、テクノロジーの進歩により、これまで未開拓であった新たなキャリアパスが切り開かれる可能性もあります。そのため、キャリアカウンセラー自身が、テクノロジーを理解し活用する力を持つことが重要となるでしょう。デジタル技術は、キャリア形成の新たな可能性を広げ、変革をもたらしています。

大学生のためのデジタル技術を活用したキャリア相談の実例

近年、デジタル技術の進化に伴い、キャリア相談の方法にも大きな変化が見られます。AIの活用、オンラインコンサルティングの導入、さらにはVR/AR技術の利用と、デジタル技術とキャリア相談の融合が進んでいます。ここでは、その具体的な事例について詳しく紹介します。

日本経済大学「オンラインキャリア相談」

参考:日本経済大学 キャリアセンター公式サイト
日本経済大学で使われている便利な予約ページ:https://reserva.be/juefkcsc

日本経済大学ではMicrosoft Teamsを活用し、オンラインでキャリアの相談ができるサービスを提供しています。これにより、学生は実際にキャリアセンターへ行く必要がなくなり、地域や時間の制約を感じることなくサービスを受けることが可能になりました。また、実際に面と向かって相談したい場合には従来通り対面での相談を実施しており、ハイブリッド型のキャリア相談を実施しています。

日本経済大学だけでなく、全国各地の大学のキャリアセンターでオンラインキャリア相談の仕組みが整備されています。

早稲田大学「AI面接体験」

AIの活用はキャリア相談における新たな方法の一つです。早稲田大学のキャリアセンターでは2019年にAI面接サービス「ShaiN」を利用したAI面接の体験を試験的に実施しました。これは、一部企業でAIを使った新しい面接が始まっているという社会情勢を受け、学生に本番さながらのAI面接を体験してもらうために企画されたものです。終了後は簡単な面接評価レポートをもらえるため、自分の改善点などを客観的に確認し、把握するのに役立ったと考えられます。

2023年現在、本取り組みが継続されているかは確認できませんでしたが、AIを使った面接は実際に行われているため、各大学でも同様の取り組みが期待されます。

早稲田大学ではAIだけではなく、Web面接時に利用できる面接用ブースも提供しています。RESERVAを使った便利な予約サイトから予約できるので、ぜひ参考にしてみてください。

東京女子大学「VRを活用した採用面接体験」

東京女子大学のキャリア・センターでは、2019年に日本で初めてVRを用いた採用面接体験を導入しました。VRを利用することで、実際の面接会場の雰囲気を体感でき、どのように面接に臨めば良いのか補助するのに役立ちます。ほとんどの学生が人生で初めて企業の面接を受けるため、どんなに個人で練習をしても不安を拭い去ることは困難です。VRを利用してシミュレーションをしておくことで、学生が採用面接に対するイメージを具体化することが可能となります。

VRの面接体験が現在も継続して実施されているかは確認できませんでしたが、各大学でこのようなVR、ARを利用した就活のシミュレーションを取り入れることで、よりリアルなイメージが湧き、就職活動の一助となることが期待されます。

今後期待されるデジタル技術とキャリア相談との融合

ビッグデータとキャリア診断

近年、企業がビッグデータを利用して個々の利用者のデータを分析し、その結果を基にキャリア相談を行うケースが増えています。ビッグデータの中には、個々の学習スタイルや志向性、スキルセットなど、多岐にわたる情報が含まれています。これらの情報を深く分析し、個々の利用者に最適なキャリア診断を可能にしているのです。大学のキャリアセンターでもビッグデータを活用することで、様々な統計情報を把握し、より具体的でリアルタイムのキャリア相談が可能となります。

クラウドサービスと情報共有の再構築

クラウドサービスの登場により、情報共有の方法も大きく変わりました。以前は、実際に相談者と面会することが中心であったキャリア相談も、現在ではクラウドサービスを通じてリアルタイムに情報を共有し、遠隔での相談も可能となっています。また、クラウドサービスは、一度に大量の情報を共有することを可能にし、相談者が自分自身のスキルや経験を視覚的に把握しやすくするなど、新たなキャリア相談の形を生み出しています。

スマホアプリと学生の日常的なキャリア形成

スマホアプリによって、学生たちは日常的にキャリア形成を行うことができるようになりました。多様なアプリにより、就職活動やインターンシップの情報をリアルタイムで取得したり、自分自身のスキルや経験を可視化したりできます。スマホ一つでこれらを行えるため、学生たちは日常的にキャリア形成に取り組むことが可能になり、キャリアの選択肢も大きく広がっています。今後もスマホアプリと連動した新たな就活方法が活性化すると予想されます。

デジタルツールによる自己PRの作成指導

就活、面接準備においてもデジタルツールは欠かせない存在となってきました。特に自己PRの作成指導においては、個々の特性や能力を最大限に活かすことが求められます。簡易なデザインツールを活用することで、自己PR文をビジュアル化し、他者に対して自己の特性を理解しやすく伝えることが可能となります。また、SNSなどのプラットフォームを活用することで、自己PRを自分のネットワークに伝播させることも可能です。このようにデジタルツールは、自己の特性を理解し、それを他者に伝えるための技術となります。

デジタル化が求めるキャリアアドバイザーのスキル

電子化が進む社会において、キャリアアドバイザーの役割も変わってきました。近年、企業間競争が厳しさを増しており、学生は自身のスキルセットをデジタル化に適応させる必要があります。その結果、キャリアアドバイザーもまた、この新しい要求を理解し、これから社会に出ていく学生を適切にサポートするためのデジタルスキルを身につける必要があります。

デジタルギャップを埋めるためのスキル

世界でデジタル技術の発展が目まぐるしい中、デジタルスキルギャップを埋めることが急務となっています。キャリアアドバイザーは、このギャップを埋めるための重要な役割を果たす立場です。デジタルスキルギャップを埋めるためには、まずITリテラシーを高めることが求められます。コンピューターの基本操作から始まり、クラウドコンピューティング、ビッグデータ解析、AI技術など、新しい技術の理解と適用能力は必須となります。

さらに、キャリアアドバイザー自身が学生と共に学び、時代の流れを読み取る考え方と視野を持つことが大切です。これにより、学生が感じる不安を理解し、具体的な助言や指導が可能となります。デジタル時代のキャリアアドバイザーは、学生のキャリアパスを提案するだけでなく、それを実現するためのデジタルスキルも指導する役割を担っているのです。

ITリテラシーが求められる新時代のキャリア相談

デジタルスキルを活かしたキャリア相談は、ITリテラシーが求められる新時代のキャリアアドバイザーにとって必須のスキルとなります。ITリテラシーとは、ITシステムを使う側の視点から、その使用方法や管理方法を理解し、新しい技術を取り入れる能力のことを言います。

ITリテラシーは、コンピューターやインターネットの基本操作だけでなく、ソフトウェアの使い方、プログラミング理解などを含みます。これらのスキルを身につけることで、キャリアアドバイザーは学生のスキルセットをアップデートし、企業が求める人材に合う形で助言を提供できます。さらに、新たに出現するテクノロジーや職種を理解し、その時々で最も求められているスキルを提供できます。

新たなデジタルスキルと向き合う姿勢

デジタル化する社会では、新たなデジタルスキルと向き合う姿勢が重要です。キャリアアドバイザーは自身が新たな技術や情報をキャッチアップするだけでなく、それを適切に提供できる能力が求められます。そのためには、自己啓発の心がけや情報収集のスキル、そして柔軟な思考が必要です。

変化がめまぐるしい時代、学生が直面する問題や不安に直接対応するキャリアアドバイザーは、一人ひとりの学生に合わせた解決策を提供するため、知識だけでなく創造的な思考力や柔軟性が求められます。デジタル時代では、新たなソリューションや視点を提供できるキャリアアドバイザーがより一層重要となってくるでしょう。

デジタルキャリア相談の未来予測

デジタル技術の進化は、ますます自動化やパーソナライズが進み、学生個々のニーズに応じたアドバイスが可能になると予想されます。他方、AIやビッグデータによる進路指導が一層進んだとしても、人間が持つ直感や経験によるアドバイスが全く不要になる可能性は低いと考えられます。企業の採用決定は最終的に人対人との交わりになるためです。そのため、今後のキャリア相談ではデジタル技術とアナログな相談との絶妙なバランスが求められるでしょう。

デジタル技術の活用は、他の大学やキャリア支援機関とのネットワーク作りにも活かされ、より広範な情報と意見を収集することが可能になります。しかし、こうした未来に向けては、相談者と受諾者双方がデジタル技術を理解し、適切に活用するスキルが要求されます。

キャリア相談のデジタル化推進には予約システムRESERVA

大学のキャリアセンターやキャリア相談のDX推進において、予約システムは重要な鍵のひとつといえます。キャリア相談・面談の予約にシステムを導入することも、大学DXの取り組みだと言えるためです。

学生はオンラインでキャリア相談を予約できるため、利便性が向上します。運営側にとっても、予約情報をもとに最適なスタッフの配置や面談準備を行うことができ、運営の効率化が図れます。さらに、学生の予約情報やこれまでの利用実績などのデータを収集することによって、需要傾向や施設利用時間帯の把握、サービスの改善点の特定などが可能になります。収集したデータは、将来の運営改善や戦略立案、カウンセリングの効率化に役立ちます。

大学のキャリアセンターにおすすめなのが、実際の現場でも活用されている予約システムRESERVAです。RESERVAは操作性がシンプルでわかりやすいため、どの世代でもスムーズに利用することが可能です。行政機関の基準に即しているため、240以上の大学で利用された高い実績があり、安心して利用可能です。

キャリア相談のDX推進に最適なRESERVAの詳細は、こちらをご覧ください。

まとめ

デジタル技術の導入により、キャリア相談の在り方は大きく変わりつつあります。従来の大学でのキャリア相談では、一定の時間を設けてカウンセラーやアドバイザーと面談する形が一般的でした。しかし、デジタル技術が進化した現代では、リモートでの相談が可能となり、予約システムを併用することで場所や時間に捉われない形でキャリアについて考えることができます。キャリア相談はよりパーソナライズされ、自己のキャリア形成に対して主体的になることが期待できます。

新たな技術を活用することで、学生はより多様な視点からキャリアを見つめ、考えることが可能となります。デジタル技術を生かしたキャリア相談は、情報収集から分析、そして決定に至るまでのプロセスを支援し、自身のキャリアをより深く理解し、適切な選択をするための助けとなります。デジタル技術と共にもっと進化したキャリア支援が求められています。RESERVA.acでは大学DX化に関する事例を今後も取り上げていきます。

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