大学入試では、病気やけが、障害などのある受験生から、受験上の配慮に関する相談が寄せられます。試験時間の延長、別室受験、座席、補助具、試験当日の動線、必要書類、申請期限など、確認事項は多岐にわたります。問い合わせを電話やメールだけで受け付けていると、聞き取りや記録、学内共有に時間がかかりやすくなります。
受験上の配慮を適切に提供するには、相談窓口、予約方法、申請手続き、対応記録、関係部署との連携方法をあらかじめ整えておくことが重要です。文部科学省も、障害等のある入学志願者との建設的な対話を通じて相互理解を図るとともに、事前相談体制を整備し、申請手続きを明示することが望ましいとしています。
この記事では、受験上の配慮相談を予約制で受け付ける方法について、相談メニュー、事前アンケート、書類確認、オンライン面談、学内連携、RESERVA acの活用方法を解説します。大学の入試課、アドミッションセンター、障害学生支援部署、教務担当者は参考にしてください。
なお、大学入学共通テストにおける受験上の配慮は、大学入試センターが定める方法と期限に沿って申請する必要があります。大学が設ける相談予約は、大学入学共通テストや各大学の入学者選抜に必要な正式申請を代替するものではありません。
受験上の配慮相談を予約制で受け付ける理由

受験上の配慮相談では、受験生の希望、入試方式、志望学部・学科、必要書類、申請期限などを確認します。内容によっては、入試担当部署に加え、障害学生支援部署、保健管理センター、学部・学科、試験会場の運営担当者との連携も必要です。
電話やメールによる個別対応では、情報が複数の担当者やツールに分散し、対応状況を把握しにくくなることがあります。相談窓口を予約制にすると、面談日時、担当者、相談の概要、案内した手続きなどを整理しやすくなります。
受験生にとっても、受験上の配慮は不安を感じやすい相談分野です。予約ページで対象者や相談範囲、準備事項を示しておけば、必要な情報を確認したうえで相談に臨めます。
受験上の配慮相談で生じやすい4つの課題
確認事項が多く聞き取りに時間がかかる
受験上の配慮相談では、希望する配慮、入試方式、試験科目、出願予定、必要書類、試験当日の不安などを聞き取ります。複数部署による判断が必要な事項も含まれるため、電話口ですべてを確認しようとすると、記録漏れが起こりやすくなります。
予約時に基本情報を取得し、面談で詳細を聞き取る流れにすると、限られた相談時間を有効に使えます。
必要書類と提出方法が伝わりにくい
配慮の申請では、大学が指定する申請書、診断書、状況報告書などの提出を求める場合があります。相談窓口と書類提出の案内が分かれていると、受験生や保護者が準備すべき書類を判断しにくくなります。
予約ページや通知メールに、相談時の持ち物、提出方法、書式の掲載先を記載すると、書類不足による再確認を減らせます。
関係部署への共有に時間がかかる
入試担当部署だけで判断できない相談では、障害学生支援部署、学部・学科、試験運営担当者、施設管理担当者などへの確認が必要です。共有方法や担当範囲が決まっていない場合、受験生への回答が遅れる可能性があります。
相談を受けた担当者、確認済みの事項、次に対応する部署を記録し、必要な情報だけを関係者へ共有できる体制が求められます。
相談や申請の期限がわかりにくい
受験上の配慮に関する手続きは、入試方式や試験日程によって期限が異なる場合があります。相談が遅れると、書類の準備や学内調整に必要な時間を確保できません。
出願前相談、書類確認、試験前の最終確認など、時期に応じた予約枠を設けると、手続きの進行段階に合った対応が可能です。リマインド通知を活用すれば、面談日時や持参書類も再案内できます。
相談目的に応じて予約メニューを分ける方法
相談内容に応じて予約メニューを分けると、受験生が適切な窓口を選びやすくなります。大学側も、担当部署や面談時間、事前に確認する項目をメニューごとに設定できます。
| 予約メニュー | 対象となる相談 | 運用のポイント |
|---|---|---|
| 出願前の配慮相談 | 受験上の配慮を希望する受験生の事前相談 | 入試方式、志望学部・学科、希望内容、申請期限を確認します。 |
| 申請書類の確認相談 | 大学が指定する申請書や診断書などの確認 | 不足書類、書式、提出方法を案内します。 |
| オンライン個別相談 | 遠方の受験生や保護者との面談 | オンライン会議のURLや接続方法を事前に知らせます。 |
| 来学相談・施設確認 | 試験会場の動線、座席、設備などの確認 | 見学できる範囲や当日の集合場所を明記します。 |
| 試験前の最終確認 | 決定した配慮、持ち物、当日の流れの確認 | 決定通知と照合し、認識の相違を防ぎます。 |
| 入学後の支援相談 | 入学後の学修支援や相談窓口に関する案内 | 入試に関する配慮と入学後の支援を分けて説明します。 |
各メニューの担当部署を決めておけば、入試担当部署が対応する相談と、障害学生支援部署や学部・学科への確認が必要な案件を振り分けやすくなります。
事前アンケートで必要な情報だけを確認する方法
予約時に基本情報を取得すると、担当者は面談前に相談の概要を把握できます。ただし、診断名や詳細な医療情報を必要以上に求めると、受験生の負担と情報管理上のリスクが高まります。相談日時の調整や事前準備に必要な項目へ絞ることが重要です。
| 確認項目 | 確認する目的 | 入力例 |
|---|---|---|
| 氏名・連絡先 | 面談や手続きに関する連絡を行うため | 氏名、メールアドレス、電話番号 |
| 受験予定の入試方式 | 日程や申請手続きを確認するため | 一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜など |
| 志望学部・学科 | 試験科目や会場、学部側への確認事項を把握するため | 学部名、学科名、コース名 |
| 相談の概要 | 面談の担当者や準備資料を判断するため | 試験時間、別室、座席、補助具、移動など |
| 書類の準備状況 | 不足書類や今後の手続きを案内するため | 準備中、提出済み、未確認など |
| 希望する相談形式 | 面談方法を調整するため | オンライン、対面、電話 |
| 同席者の有無 | 面談人数や情報共有の範囲を確認するため | 本人のみ、保護者同席、高校教員同席など |
診断書などの提出が必要な場合は、大学が定める安全な方法を別途案内します。取得する情報、利用目的、閲覧できる担当者、保存期間も学内規程に沿って設定する必要があります。
個別相談から合理的配慮の決定までの流れ
1.予約ページで相談範囲と期限を示す
予約ページには、対象となる入試方式、受け付ける相談、申請期限、必要書類、問い合わせ先を掲載します。相談予約は配慮の実施を確約するものではなく、希望内容の聞き取りや手続きの案内を行う場であることも明記します。
2.予約時に基本情報を取得する
入試方式、志望学部・学科、相談の概要、書類の準備状況、希望する面談形式を確認します。オンライン面談では接続方法、来学相談では集合場所や持ち物も事前に知らせます。
3.面談で希望内容を聞き取る
個別相談では、受験生が希望する配慮、申請書類の準備状況、試験当日に不安を感じている点などを聞き取ります。その場で可否を断定せず、正式な申請と学内審査の流れを説明することが大切です。
4.関係部署で対応方法を検討する
相談内容に応じて、入試担当部署、障害学生支援部署、学部・学科、試験会場担当者などが対応方法を検討します。受験生本人との建設的な対話を重ね、必要に応じて代替措置も含めて調整します。
情報を共有する際は、利用目的と閲覧者を明確にし、診断内容や配慮に関する情報を不必要に広げない運用が必要です。
5.決定内容と今後の手続きを通知する
検討後は、大学が定める方法で配慮内容や必要な手続きを受験生へ通知します。追加書類、提出期限、当日の集合場所、持ち物、緊急時の連絡先などもあわせて案内すると、試験当日の認識違いを防げます。
オンライン相談と対面相談を使い分ける方法
遠方の受験生にも相談機会を提供するには、オンライン相談と対面相談を併用する方法が有効です。相談の目的に合わせて適切な形式を選べるようにします。
| 相談形式 | 適した内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| オンライン相談 | 出願前相談、手続きの説明、必要書類の案内 | 本人確認、資料の共有方法、接続できない場合の連絡先を決めます。 |
| 対面相談 | 会場の動線、座席、設備、補助具の確認 | 見学範囲、対応時間、同席者の扱いを事前に案内します。 |
| 電話相談 | 簡単な問い合わせや予約前の確認 | 複雑な相談や書類確認は、個別面談へ切り替えます。 |
オンライン面談で診断書などを画面共有する場合は、録画の有無や資料の取り扱いにも注意が必要です。施設や試験会場の確認をともなう相談は、対面での実施も検討します。
受験上の配慮相談で整えたい学内連携体制
受験生へ一貫した案内を行うには、相談受付から試験当日までの役割分担を明確にする必要があります。
- 入試課・アドミッションセンターが受け付ける相談の範囲
- 障害学生支援部署へ共有する条件とタイミング
- 学部・学科による確認が必要な事項
- 試験会場や設備に関する確認担当者
- 申請書類の受付・管理方法
- 合理的配慮を検討・決定する手順
- 受験生への回答者と連絡方法
- 相談記録を閲覧できる担当者
- 試験当日の運営担当者へ伝える情報
- 入学後の支援部署へ接続する方法
担当者が単独で判断するのではなく、学内規程に沿って検討できる体制を整えます。相談受付、配慮内容の検討、最終決定、試験当日の実施について、各部署の責任範囲を明確にすることが重要です。
RESERVA acで配慮相談の受付を効率化
相談予約から面談後の対応記録まで一元管理
RESERVA acは、大学、大学院、短期大学、専門学校などの高等教育機関向け予約管理システムです。入試相談、学生相談、各種窓口、学内施設など、大学で発生する幅広い予約受付をオンライン化できます。
受験上の配慮相談では、面談日時、担当者、相談の概要、必要書類、オンライン会議の情報、対応履歴を適切に管理する必要があります。RESERVA acの機能を組み合わせると、次のような運用が可能です。
- Web上に相談可能な日時を表示し、受験生や保護者から予約を受け付けられます。
- 予約アンケートのカスタマイズにより、入試方式、志望学部・学科、相談の概要などを事前に取得できます。
- 予約リマインドメールで、面談日時、持ち物、必要書類、接続方法を再案内できます。
- Zoom連携を利用すると、予約完了時にオンライン会議の情報が自動で作成されます。
- 対応記録に、面談で案内した手続きや次回の対応を予約ごとに登録できます。
- 予約データCSV出力により、相談件数や予約状況を集計できます。
- 相談の目的別にメニューを作成し、出願前相談、書類確認、オンライン面談、来学相談を分けて受け付けられます。
RESERVA acは相談日時や対応履歴の管理を支援するシステムです。合理的配慮の必要性や具体的な内容は、受験生との対話や提出書類を踏まえ、各大学の規程と審査手続きに基づいて判断します。
大学・高等教育機関向け予約システム「RESERVA ac」を確認する
受験上の配慮相談ページに掲載する案内事項
予約ページには、相談できる内容だけでなく、相談後に必要となる正式な申請手続きも記載します。
| 掲載項目 | 記載する内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 相談対象 | 受験上の配慮を希望する受験生、保護者、高校教員など | 予約できる人を明確にします。 |
| 相談範囲 | 出願前相談、申請手続き、書類、試験会場など | 相談内容に合ったメニューを選びやすくします。 |
| 必要書類 | 大学が指定する申請書、診断書、状況報告書など | 書類不足や書式の間違いを防ぎます。 |
| 申請期限 | 入試方式ごとの期限と提出方法 | 手続きの遅れを防ぎます。 |
| 注意事項 | 相談予約だけでは配慮内容が決定しないこと | 相談と正式申請の違いを明確にします。 |
| 相談形式 | 対面、オンライン、電話の対応可否 | 相談内容に合った形式を選べるようにします。 |
| 連絡先 | 入試課、アドミッションセンターなど | 予約後や緊急時の問い合わせ先を示します。 |
大学入学共通テストと各大学の個別試験では、申請先や手続きが異なります。どの試験に関する相談なのかを予約ページで区別し、最新の入試要項や受験上の配慮案内へ誘導することが大切です。
大学入学共通テストの手続きについては、大学入試センターの受験上の配慮案内を確認してください。
導入前に確認したい配慮相談の運用項目
- 受験上の配慮相談を受け付ける部署を明確にしている
- 相談内容に応じて予約メニューを分けている
- 相談の対象者と受付範囲を予約ページに掲載している
- 相談予約と正式申請の違いを説明している
- 入試方式や相談の概要を予約時に取得できる
- 大学が指定する書類と提出方法を案内している
- 合理的配慮を検討・決定する手順を定めている
- 関係部署の役割と情報共有の範囲を整理している
- オンライン面談の本人確認や接続方法を決めている
- 通知メールで面談日時や準備事項を再案内できる
- 決定した配慮を試験当日の担当者へ伝える方法を定めている
- 個人情報の閲覧者、保存期間、管理方法を定めている
受験上の配慮相談に関するよくある質問
受験上の配慮相談はいつから受け付けますか?
出願開始の直前ではなく、必要書類の準備や学内調整にかかる期間を考慮して受付を開始します。入試方式によって期限が異なる場合は、予約ページや入試要項にそれぞれの日程を掲載します。期限後に病気や不慮の事故が生じた場合の連絡先も示しておくと安心です。
予約を受けた時点で配慮内容を確定できますか?
相談予約の受付だけで、配慮内容が確定するとは限りません。受験生の希望、提出書類、入試方式、試験の実施条件などを踏まえ、学内の手続きに沿って検討します。予約ページでは、相談の位置づけと決定までの流れを明示する必要があります。
予約アンケートで診断名を取得すべきですか?
診断名や詳細な医療情報は、必要性が明確でないまま予約フォームへ入力させないことが重要です。まずは入試方式、相談の概要、書類の準備状況、希望する面談形式など、日程調整や事前準備に必要な情報を取得します。診断書などは、大学が指定する方法で受け付けます。
オンライン相談だけで対応できますか?
出願前の相談や手続きの説明は、オンラインでも対応しやすい内容です。一方、試験会場の動線、座席、設備、補助具などは、来学による確認が適している場合があります。相談の目的に応じて、オンライン、対面、電話を使い分けます。
入試課と障害学生支援部署はどう連携しますか?
入試担当部署は、出願手続きや試験運営を中心に確認し、障害学生支援部署は合理的配慮や入学後の支援に関する知見を提供します。相談の受付部署、共有する情報、配慮内容を検討する担当者、受験生へ回答する部署を事前に決めておくと、対応のばらつきを抑えられます。
配慮相談の対応記録は残す必要がありますか?
相談日時、担当者、受験生の希望、確認した書類、案内した手続き、次回の対応などを記録します。担当者の変更や複数部署による検討が生じても、経緯を把握しやすくなります。ただし、記録する情報は必要な範囲に限定し、学内の個人情報管理ルールに沿って取り扱います。
まとめ|予約制で受験生が相談しやすい窓口へ

受験上の配慮相談では、受験生の希望を丁寧に聞き取り、正式な申請手続きや学内での検討につなげる必要があります。予約制の窓口を設けると、相談日時や担当者を調整しやすくなり、受験生も準備事項を確認したうえで面談に臨めます。
大学側は、相談受付、書類提出、合理的配慮の検討、結果通知、試験当日の実施を一連の流れとして整理することが重要です。あわせて、取得する個人情報と共有範囲を限定し、関係部署の役割を明確にします。
RESERVA acを活用すれば、Web予約、事前アンケート、リマインド通知、Zoom連携、対応記録を組み合わせて、相談窓口の運営を効率化できます。受験生との建設的な対話に必要な時間を確保し、公平かつ円滑に入学者選抜を実施できる体制を整えることが大切です。
