近年、デジタル技術の進化とともに、大学の教育環境やキャンパス運営のあり方が大きく変わりつつあります。特に「スマートキャンパス」と呼ばれる概念は、大学がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することで、教育の質を向上させるだけでなく、キャンパスの利便性を高め、持続可能な運営を実現するための新たな取り組みとして注目されています。
本記事では、スマートキャンパスの基本概念から、その導入によるメリット、具体的な大学の取り組み、そして大学運営に役立つ予約システム「RESERVA」の活用事例まで、幅広く解説します。
スマートキャンパスとは

スマートキャンパスとは、デジタル技術を活用して教育機関の運営を効率化し、学習環境や学生生活を最適化する取り組みを指します。
インターネット回線を活用することで、別のキャンパスや地域施設、企業との連携が円滑化され、大学が提供する学びの幅が拡張されます。また、スマートキャンパスでは単に技術を導入するだけでなく、その運用を通じて学生と教職員双方の利便性を高め、教育の質向上や省エネ・持続可能性といった社会的課題の解決に寄与することも期待されています。
スマートキャンパスを推進するメリット
学習効率の向上
スマートキャンパスの導入により、学生の学習効率は大きく向上します。
たとえば講義のデジタルアーカイブ化により、学生は授業を欠席しても録画映像や資料をオンラインで閲覧でき、学習の遅れの防止につなげられます。さらに、AIが学生の成績や学習履歴を分析し、個々の理解度に応じた教材やフィードバックを提供する仕組みを導入することで、従来では困難だった大規模な個別指導や学習支援が実現し、学力格差の是正や大学全体の学習意欲向上が実現します。
このように、学習環境のデジタル化により対面授業での討議や実習の質も高まり、学生はより深い学びを獲得できます。
キャンパス運営の効率化
大学のスマートキャンパス化は、大学内部の事務処理や施設管理を効率化する効果も期待できます。
たとえばIoTセンサーを活用することで、教室の空調や照明を自動制御し、電力や水道の使用状況をリアルタイムでモニタリングすることが可能になります。これにより、エネルギーコストの削減だけでなく、キャンパスの環境負荷を低減し、持続可能な運営を実現できます。また、顔認証やICカードによる入退室管理システムの導入は、セキュリティ強化と事務作業の削減を同時にかなえる手段として注目されています。こうした取り組みの結果として、教職員は煩雑な手続きや施設管理から解放され、教育研究や学生支援といった本来の業務に集中できるようになります。
学生生活の質の改善
スマートキャンパスは、学生の学びだけでなく、キャンパスライフ全体をより快適にします。
たとえば、キャンパス情報を一元管理するアプリで、講義やサークル活動、食堂の混雑状況などをリアルタイムに確認できれば、学生は効率よく動けます。さらに、IoTセンサーによる防犯システムの強化や、健康管理のためのウェアラブル端末連携などにより、安全面やヘルスケア面でのサポートも可能です。また、オンラインと対面のハイブリッド学習が普及すれば、留学生や社会人学生など多様な背景を持つ人々が参加しやすくなり、キャンパスの国際性や多様性が高まります。
スマートキャンパスの取り組み事例
lotシステムの導入|大正大学
大正大学は、スマートユニバーシティの実現を目的として、大学教育や研究活動、キャンパス運営にIoTシステムを導入し、ソフトバンクと連携協定を締結しています。ビックデータを活用した最新テクノロジーを教育に取り入れ、学内だけでなく地域とも連携したさまざまな取り組みを実施するなど、スマート化でキャンパス内にとどまらない学びの可能性を創出しています。
5Gの導入|近畿大学
近畿大学とNTTドコモは、スマートシティ・スマートキャンパスの実現を目的として連携包括協定を締結しています。
このふたつの組織は、それぞれの持つ人材や知識・教育・研究などの資源を活用し、相互に協力して近畿大学内での5Gの実証実験等を通じてスマートシティ・スマートキャンパスの創造に取り組んでいます。計3万人以上の学生や教職員が活動している近畿大学のキャンパスを仮想の都市空間と捉えることで、実際の市街においては実施が困難であった実証実験を行う場として活用しています。
スマートキャンパス構想|京都産業大学

京都産業大学は、ソフトバンク株式会社およびLINE株式会社と連携し、大学DXの推進に向けて「先端技術を活用した新しい学生生活の実現・研究に関する包括連携協定」を締結しています。
この協定では、次世代の社会で活躍できる人材育成に備えて、下記の3つを指針としています。
-
キャンパス内にSB社のパブリック5Gや「プライベート5G(共有型)」の環境を整備し、AR(拡張現実)サービスやVR(仮想現実)演習室、インタラクティブ掲示板、食堂やバスなどの混雑状況配信ソリューション、顔認証システム等を導入する予定です。
-
LINEのプラットフォームを活用した「LINEスマートキャンパス」により、窓口申請のデジタル化や証明書発行等におけるキャッシュレス決済サービス等を導入し、学生生活の利便性向上等を図ります。併せて、法人向けアカウントサービス「LINE公式アカウント」や、新たにアプリをダウンロードすることなく「LINE」のアプリ上でサービスを利用できるアプリプラットフォーム「LINEミニアプリ」などを活用して、学生の入学前から、在学中、卒業後まで、それぞれのタイミングに適切なコミュニケーションを図ります。
-
全てが集まる一拠点総合大学に先端のデジタル技術を集結させ、デジタル時代をけん引する人材育成を進め、研究力を生かした社会との連携により、大学のスローガンである「むすんで、うみだす。」を具現化する“共創拠点”となることを目指します。
大学DXに最適な予約システム「RESERVA」

大学DXに最適な予約システムとして挙げられるのが、業界トップシェアを誇る予約管理システム「RESERVA」です。30万社以上が利用するRESERVAは、350以上の業種に対応しており、国公立大学、私立大学など多くの現場で広く導入されています。無料のフリープランから始めることができ、わかりやすくシンプルな操作性で、はじめて予約システムを導入する大学でもかんたんに利用できます。さらに、ISO/IEC 27001やISO/IEC 27017を取得しているだけでなく、SSLにも対応しており、堅牢なセキュリティ対策が施されています。
加えて、RESERVAは予約受付や顧客管理をはじめとする多くの機能がフリープランから利用可能で、サテライトキャンパスの運営に役立つ機能が豊富に備わっています。
多言語設定機能
多言語設定機能を使えば、予約ページを複数の言語で表示することが可能です。これにより、英語をはじめとするさまざまな言語で留学生がかんたんに予約できる環境が実現します。特に多国籍な学生や住民が多い地域では、この機能が非常に有効です。
多言語設定機能についてはこちら:多言語設定で海外客の予約受付に対応!
複数拠点管理機能
RESERVAでは、複数施設の予約サイトをひとつのアカウントに統合することができ、各施設の予約サイトを集約した予約ページを作ることができます。全施設の予約サイトを集約したページを自動生成したり、施設ごとの個別紹介ページを作成したりすることも可能です。また、その都度ログイン・ログアウトせずに、ボタンひとつでそれぞれの予約サイトの管理画面に移行できます。
複数拠点管理機能についてはこちら:複数拠点管理|RESERVA.lg
空き状況一覧機能
RESERVAの空き状況一覧機能を活用することで、予約サイト上に施設の予約可能日時を一覧で表示することができます。これにより、全メニューの空き状況をリアルタイムで即座に把握できるため、利用者が予約する際に被るストレスが軽減されます。また、表示する空き状況については、日付、時間、カテゴリ、メニューで絞り込めるため、確認したい項目のみ表示させることも可能です。
空き状況一覧機能についてはこちら:業務効率と顧客体験が向上|施設予約をスムーズにする空き状況一覧機能のすすめ【事例5選つき】
予約データ分析
予約データ分析機能は、予約状況や利用者数などのデータを蓄積し、時間帯別・曜日別の予約数や傾向をグラフ化する機能です。この機能を活用すれば、どの手続きがどの時間帯に集中しやすいかを把握できるため、キャンパス運営におけるリソース配分や職員のスケジュール調整をより合理的に進められます。
予約データ分析についてはこちら:予約者の動向を数値化して改善点を発見しよう!
Googleカレンダー連携
RESERVAは、予約システム上で受けた予約情報を自動でGoogleカレンダーに反映できます。Googleカレンダーを同期することで、複数の担当者が予定を同時に把握でき、日程の重複や予約漏れのリスクを大幅に減らせます。
加えて、スマートフォンやPCからリアルタイムで予約情報を確認できるため、迅速な情報共有やスケジュール調整も可能になります。結果として、キャンパス運営の効率化を図れるだけでなく、大学施設の利用者への対応もスムーズに行うことができます。
Googleカレンダー連携についてはこちら:RESERVAで受け付けた予約を、Googleカレンダーに反映しよう!(一方向連携)
まとめ
スマートキャンパスの導入は、大学の教育環境やキャンパス運営に大きな変革をもたらします。デジタル技術の活用により、学習の柔軟性が高まり、教職員の業務負担が軽減されるだけでなく、持続可能な大学運営が可能になります。また、IoTやAIの活用は、学生一人ひとりに最適化された学びの機会を提供し、多様なバックグラウンドを持つ学生がより快適に学べる環境を実現します。
スマートキャンパスの導入を考えている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。